五十一話 ページ6
集合は本部周りの森の入口。
エレンの巨人化実験の前の訓練に、私も参加させてもらうことになった。
「お願いします！」
「そんなに硬くならなくていいよ〜」
私が勢いよく敬礼すると、ペトラさんはふんわりと微笑む。
彼女はリヴァイ班の紅一点、ペトラさん。
美人で優しくて、普通に町中にいたら兵士だとは思わないだろう。
私がほっこりした気分になっていると、隣のオルオさんが舌打ちした。
「っち……ガキが増えて迷惑だ」
「兵長ならこんな間の悪い舌打ちしないけど」
嘘です、ペトラさん怒ると怖いです。
冷たい視線を逸らさないペトラさんをグンタさんがたしなめる。
「まぁまぁ怒るなよ。そりゃ似てねぇけど」
そしてベルトの調節の終わったエルドさんが立ち上がる。彼はリヴァイ班の副リーダー的存在だ。
「Aは俺らと同じ班で行動する訳じゃねえけど、突然宿舎から連れてきちまったんだ。訓練させてやらないと初陣ですぐ死んじまうだろ」
明るく現れた『死』というフレーズに驚く。
思わず表情も引き締まった。
「……まぁいい」
「似てないってば」
オルオさんに噛み付くペトラさん。
それでもなんだかんだで仲が良さそうだ。
「おいお前ら、始めるぞ」
今度に聞こえてきたのは本物の声。
エレンも後ろからついてきている。
先輩たちも私も自然と背筋が伸びた。
リヴァイさんは私達を一瞥するとすぐに告げた。
「標的は15体……始め」
始めるタイミングが早い。
急な訓練開始の合図に驚いたが、先輩たちが地面を蹴ったのに少し遅れて私も走り出した。
きっとなるべく実戦に即した訓練をするためだろう。
巨人の襲撃はいつも突然なのだから。
私のすぐ後にエレンも立体起動に移ったようだ。
森の木の密度はちょうどよく、立体起動には向いているようだった。
そして入ってすぐに木々の隙間に巨人の模型を発見した。
今まで見てきた模型は前後にしか動かなかったが、これはやじろべえのようで動きが掴みづらい。
きっと、このくらいは出来ないと外で生き残っていけないということなのだろう。
私は意を決して模型の背後の木の幹にアンカーを撃ち込む。
ぐらぐらと揺れる木製の模型の真上に飛ぶと、うなじめがけて垂直に切り込んだ。
重力に逆らわずに上から攻撃した方が仕留めやすいというのは訓練で学んだ通りだ。
そして、半端な斬撃で仲間を油断させると仲間が死んでしまうというのは、実戦で学んだことだ。
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ミカサ(プロフ) - ぐふぉっ(リヴァイの尊さにやられました) (2021年3月18日 15時) (
レス) id: 2cebe15e55 (このIDを非表示/違反報告)
はるこん(プロフ) - 麗紅花さん» お返事遅くなってしまいすみません。楽しんでいただけたならよかったです！そろそろ続きも書こうと思っていますので良ければぜひお読みください〜 (2021年2月28日 18時) (レス) id: af5768fbd2 (このIDを非表示/違反報告)
麗紅花(プロフ) - 作品を最初から最後まで読ませてもらいました！とても可愛くて純粋な恋愛で萌えました。リヴァイの性格も口調も上手く捉えていてスゴッ！！！と思いました。続きできたら是非とも読みに来ます！小説を頑張ってください！応援しています。 (2021年1月1日 15時) (レス) id: fa2fa0f152 (このIDを非表示/違反報告)
はるこん(プロフ) - 睡蓮さん» 最後の方は結構駆け足でしたよね笑 来年度に時間ができたら書きたそうかなと思っていますー読んでくださってありがとうございます！ (2020年5月3日 14時) (レス) id: 99f376c927 (このIDを非表示/違反報告)
睡蓮(プロフ) - こんにちは！作品一気に読ませていただきました！すごく面白かったです！リヴァイ兵長はきっとキャラや口調的に難しいと思うんですが、それを感じさせないぐらいすごく読みやすかったです！もっと先の物語も読みたいなって欲が出てしまうぐらいでした！笑 (2020年4月30日 1時) (レス) id: 56d089aaee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はるこん | 作成日時：2020年3月19日 15時
