四十九話 ページ4
「君には何が見えた？」
エルヴィン団長がしっかりと私に目を合わせる。
「……敵はなんだと思う？」
「敵……」
ハンジさんはどこか驚いた様子だったが、私は団長の問いかけに答えることに集中した。
犯人は、研究の邪魔をした。
つまり、犯人は人類の進歩を妨げるれっきとした敵なのだ。
そしてこの犯行を成し遂げるには兵士以外の立場はありえない。
敵は単に壁の外にだけいるわけではないということは明白だ。
そして、ソニーとビーンがやられた後、私はずっと考えていた。
エレンのような能力を持ったヒトが他にもいるとしたら、5年前の襲撃はそういった知性巨人が絡んでいるかもしれない。
だとしたら、エレンの力は狙われる可能性も
ある。
「5年前の侵入に関与した知性巨人が兵団に紛れ込んでいるということですか」
飛躍した妄想だ、と笑われる心配をしながら、私は団長の目を見た。
エルヴィン団長は視線を逸らさないまま二度瞬きをした。
「……君にはまた後で用事を頼むとしよう。
もう行って構わない」
「は、はい」
私が扉の方を振り返ると、リヴァイさんは顔を僅かに顰めていた。
「A、荷物持ってもう一度ここにこい」
そういえば、私は作業をしていた部屋にザックを置いたままにしていた。
たしかに荷物を持って部屋に案内してもらった方がありがたい。
「はい、失礼します」
私は急ぎ足で団長室を後にした。
＿＿
「おいエルヴィン。どういうつもりだ」
「……どうも何も？
作戦の成功に貢献できる人材は手元に置きたい。それだけだが」
Aの足音が遠ざかってから、リヴァイはエルヴィンに詰め寄るように投げかけた。
Aの言ったことはエルヴィンの考えと一致しており、エルヴィンは裏切り者の侵入を5年前と踏んでいる。
だから、5年前から兵団に在席していることが今回の作戦に加える条件だったのだ。
「彼女はエレンの幼馴染だろう。5年前の侵入者の疑いは少ない。それに、前回の調査で救護班が全滅した。まさか忘れていないだろう？」
リヴァイは知っていた。
任務の達成に際するエルヴィンの躊躇のなさと、今回の件で論理的に反論する根拠が自分にないことを。
「Aに肩入れするのは止めないが、任務に支障は来すなよ」
エルヴィンの鋭い視線がリヴァイを射抜く。
リヴァイは苦々しげに舌打ちした。
「……わかってる」
「へえ、否定しないんだ」
ハンジは完全に面白がっていた。
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ミカサ(プロフ) - ぐふぉっ(リヴァイの尊さにやられました) (2021年3月18日 15時) (
レス) id: 2cebe15e55 (このIDを非表示/違反報告)
はるこん(プロフ) - 麗紅花さん» お返事遅くなってしまいすみません。楽しんでいただけたならよかったです！そろそろ続きも書こうと思っていますので良ければぜひお読みください〜 (2021年2月28日 18時) (レス) id: af5768fbd2 (このIDを非表示/違反報告)
麗紅花(プロフ) - 作品を最初から最後まで読ませてもらいました！とても可愛くて純粋な恋愛で萌えました。リヴァイの性格も口調も上手く捉えていてスゴッ！！！と思いました。続きできたら是非とも読みに来ます！小説を頑張ってください！応援しています。 (2021年1月1日 15時) (レス) id: fa2fa0f152 (このIDを非表示/違反報告)
はるこん(プロフ) - 睡蓮さん» 最後の方は結構駆け足でしたよね笑 来年度に時間ができたら書きたそうかなと思っていますー読んでくださってありがとうございます！ (2020年5月3日 14時) (レス) id: 99f376c927 (このIDを非表示/違反報告)
睡蓮(プロフ) - こんにちは！作品一気に読ませていただきました！すごく面白かったです！リヴァイ兵長はきっとキャラや口調的に難しいと思うんですが、それを感じさせないぐらいすごく読みやすかったです！もっと先の物語も読みたいなって欲が出てしまうぐらいでした！笑 (2020年4月30日 1時) (レス) id: 56d089aaee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はるこん | 作成日時：2020年3月19日 15時
