最終話、幸せな生活 ページ15
明け方。
私はリヴァイさんの部屋で目を覚ました。
「んん……」
半分寝ぼけながらリヴァイさんの胸の辺りに顔を埋めると、すぐに体を引き寄せられる。
リヴァイさんはいつも眠りが浅いようで、私が身じろぎするだけで目を覚ますみたいだった。
「おはようござ……」
言いかけた私の口をリヴァイさんが塞ぐ。
あれ以来、リヴァイさんは私にキスをするようになった。
「……よく、寝れたか」
まったく、完全に子供扱いしてるな。
そんなリヴァイさんに仕返ししたくなって、私は初めて自分から唇を触れ合わせた。
リヴァイさんが片方の眉を少し上げる。
「……分かんねぇだろうが」
「これからyesのときはキスすることにします」
「やめろ紛らわしい」
私はもう一度キスをした。
「……noでもしてんじゃねえか」
少しこちらを睨むリヴァイさんを見て、私は得意になってクスクス笑った。
「……寝てる間もゲホゲホやってやがったから聞いたんだが」
……夜中も心配してくれてたのか
私が罪悪感を感じて謝ろうとすると、リヴァイさんはお仕置きと言わんばかりに私の唇を奪った。
「不意打ちずるいですよ……」
それに、謝ろうとしてたのに。
私が頬を膨らませるとリヴァイさんは少し笑って肩を揺らした。
「あの……そろそろ部屋に戻りますね」
「……ああ」
リヴァイさんは私の頭をわさわさとなでた。
その心地よさに、私は目を閉じる。
＿＿壁外調査まで一週間。
エレンを狙う知性巨人の捕獲がうまくいくかなんて分からない。
私は初めての壁外調査で死んでしまうかもしれないのだ。
やっぱり、怖い。
「リヴァイさん、ぎゅってしてください」
戦わなければ、永遠の幸せはない。
分かってはいても不安で、リヴァイさんに抱きしめてもらいたくなった。
リヴァイさんはいつかの様に私を腕の中に閉じ込める。
「……死ぬな」
私の考えを汲み取ったようなリヴァイさんの呟きに驚く。
私は思わず目に涙を浮かべた。
リヴァイさんが私の命を慈しんでいるという事実が、本当に嬉しかった。
ああ、もし死んじゃうとしても、リヴァイさんの"死ぬな"だけで十分だ。
それだけで生きててよかったと思える。
「……リヴァイさん」
「なんだ」
私もリヴァイさんの真似をして耳許に口を寄せた。
「大好きです」
リヴァイさんが私にもう一度キスをした。
＿＿ああ、この仮初めの幸せな生活がいつか幕を閉じるまで
私、きっと幸せだ。
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ミカサ(プロフ) - ぐふぉっ(リヴァイの尊さにやられました) (2021年3月18日 15時) (
レス) id: 2cebe15e55 (このIDを非表示/違反報告)
はるこん(プロフ) - 麗紅花さん» お返事遅くなってしまいすみません。楽しんでいただけたならよかったです！そろそろ続きも書こうと思っていますので良ければぜひお読みください〜 (2021年2月28日 18時) (レス) id: af5768fbd2 (このIDを非表示/違反報告)
麗紅花(プロフ) - 作品を最初から最後まで読ませてもらいました！とても可愛くて純粋な恋愛で萌えました。リヴァイの性格も口調も上手く捉えていてスゴッ！！！と思いました。続きできたら是非とも読みに来ます！小説を頑張ってください！応援しています。 (2021年1月1日 15時) (レス) id: fa2fa0f152 (このIDを非表示/違反報告)
はるこん(プロフ) - 睡蓮さん» 最後の方は結構駆け足でしたよね笑 来年度に時間ができたら書きたそうかなと思っていますー読んでくださってありがとうございます！ (2020年5月3日 14時) (レス) id: 99f376c927 (このIDを非表示/違反報告)
睡蓮(プロフ) - こんにちは！作品一気に読ませていただきました！すごく面白かったです！リヴァイ兵長はきっとキャラや口調的に難しいと思うんですが、それを感じさせないぐらいすごく読みやすかったです！もっと先の物語も読みたいなって欲が出てしまうぐらいでした！笑 (2020年4月30日 1時) (レス) id: 56d089aaee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はるこん | 作成日時：2020年3月19日 15時
