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「行ってまいります」
「気をつけてね。叔父さんの言うことはちゃんと聞くのよ」
「分かってます、お母様」
無事19歳の誕生日を迎え、初めて外の世界へと踏み出した。チラシを持ち、初めて外の世界に触れる高揚感に満たされながら叔父の運転する協会の車で駅へと向かう
「祥彰君」
「何ですか?」
「誰かに、何かを言われても気にしてはいけないよ」
「分かってます。僕は神様以外の言うことは信じません」
「それなら良かった」
叔父さんはニコッと笑い、駅へと車を走らせた
資料以外で初めて見る交差点を行き交う人の波、信号の点滅、どれも僕にとって新鮮で飽きさせることが無かった
「はい、着いたよ。じゃあこれ祥彰君が配る分ね」
「ありがとうございます」
チラシを受け取って、早速駅で声掛けを始めた。時刻は午後5時、通勤通学時間と被っており駅には人が溢れていた
「これ、良かったら貰っていってください」
「僕と一緒に神様とお祈りしませんか」
声を掛けても皆素通りするばかり。ああ、これだから愚民は。皆の言う通りだ。下界の人間は何も分かっちゃいない
「なあ、またあの宗教やってるぞ」
「こっわ。あそこ、この前信者が死んだとこじゃない?」
「そうそう。変死体でしょ?こっわ…」
「『神様の水』売ってるらしいよ。リットル千円で」
「うわぁ、やば。典型的なカルトって感じ」
制服を着た学生が遠巻きでこそこそと後ろ指さしているのが分かった。可哀想に。彼らはまだ本当の世界に気づいていない。神様こそが全てなのに。信じるものは救われるのに
ああ、滑稽だな
僕はその集団にニコッと笑いかけてその場を去り、ちょうど改札からでてきた男子高校生にチラシを渡した
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めろんぱん(プロフ) - もももさん» 返信遅くなりすみません!ありがとうございます!! (2020年11月22日 19時) (レス) id: 24dbf2b9b1 (このIDを非表示/違反報告)
ももも - これからの展開が楽しみです!応援してます! (2020年10月4日 22時) (レス) id: 8cb9ab5926 (このIDを非表示/違反報告)
むう。(プロフ) - めろんぱんさん» 勿論です!楽しみにしております。 (2020年9月25日 22時) (レス) id: 639ff9af3e (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - むう。さん» ありがとうございます!これから頑張って書くので引き続き読んでいただけると嬉しいです! (2020年9月24日 23時) (レス) id: 24dbf2b9b1 (このIDを非表示/違反報告)
むう。(プロフ) - はじめまして。とても楽しく作品を拝見させて頂いております。すごく面白く、これからの展開も楽しみにしております。 (2020年9月20日 23時) (レス) id: 639ff9af3e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めろんぱん | 作成日時:2020年9月19日 0時