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『・・・ん』
体のだるさがましになり
目を覚ますと
私の左手を強く握って眠る
拓朗の姿が目に入った
拓朗が迎えに来てくれて
それで、寝かせてくれて
拓朗も寝ちゃったのか
『ありがとうね』
やわらかい髪を撫でる
金髪もいいけど
私はグレーっぽい色が一番好きだなーなんて思ったり
懐かしい夢を見た気がする
私が拓朗に「東大に行く」って言った日のこと
卒業式の日だったかな
『ほんまに寂しかったんやから』
私の高校生活は本当に大変だった
偏差値はそれなりに高い中学高校にいたから
不可能ではなかったけど
私の当時の成績では、惜しいまでもいかなかった
でも、東大に行くという夢は
いつの間にか
拓朗のためだけじゃない
私自身の夢にもなっていた
でも
『拓朗のおかげだよ』
東大に入ることができたのも
QuizKnockを知ることができたのも
いま、こんなに幸せなのも
『ありがとう』
拓朗に向かって微笑むと
呼び鈴が鳴った
着替えるのもめんどくさく
そのまま、ふらふらした足取りで
玄関へと向かう
『山本さん？』
そこには買い物袋を持った山本さんが立っていた
「川上さんに頼まれて
色々買ってきたよ」
『あ、ありがとうございます
どうぞ、上がってください』
「お邪魔します」
山本さんをリビングに招き入れ
コーヒーを用意しようとするも
めまいがして上手く歩けない
「おっと、大丈夫？」
『すみません』
「俺のことはいいから
ほら、座ってこれ食べて」
『ありがとうございます』
椅子に座って
差し出されたゼリーを口に運ぶ
『美味しい・・・！』
「美味しそうに食べるね」
『山本さんも食べますか？
あ、でも風邪移っちゃうからだめですね』
と言いながらゼリーを掬うと
スプーンを持つ私の手を掴み
自分の口へと運ぶ
「いいよ
Aちゃんが看病してくれるなら
風邪ひいても」
『えっと、山本さ・・・』
「あとさ」
山本さんは両手で私の頬を包み
ぐっと顔を近づけた
今にもキスしてしまいそうな距離
「そんな格好で
易々と男を家に上げちゃダメでしょ？」
『あ、えっと・・・』
「もっと危機感持たないと
食べちゃうよ？
山本さんは小さくリップ音を立てて
私の頬に口を付けた
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Lily(プロフ) - 泡姫さん» ありがとうございます！何度もコメントしてくださり、最後まで読んでくださって本当に嬉しかったです！本当にありがとうございました！ (2019年1月18日 21時) (
レス) id: 75dd804998 (このIDを非表示/違反報告)
泡姫 - もう本当素敵すぎます！ありがとうございます。 (2019年1月17日 22時) (レス) id: c29d185bf6 (このIDを非表示/違反報告)
燐音(プロフ) - 泡姫さん» またコメントありがとうございます！川上さん人気ですね、参考になります！ありがとうございます！！ (2019年1月17日 7時) (レス) id: ce053a5c30 (このIDを非表示/違反報告)
燐音(プロフ) - kinsakiさん» コメントありがとうございます！なるほど、参考になります！ありがとうございます！！ (2019年1月17日 7時) (レス) id: ce053a5c30 (このIDを非表示/違反報告)
泡姫 - 私も川上さん落ちがいいです！ (2019年1月16日 22時) (レス) id: c29d185bf6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：燐音 | 作成日時：2019年1月10日 1時
