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料理の力 ページ10

織田「初めてだな、お前が泣くの」



太宰「・・・・」



織田と太宰は外のテーブルで海を眺めている。しかし太宰は海を見ていなく、どこか虚ろだった。



太宰「あの娘は不思議だ。純粋な料理だけでズカズカと私の中に入り込んできた。フフッ、不意討ちだったよ。自分が泣いたことすら気付かないなんて…」



太宰は胸を押さえて自嘲的な笑みを浮かべた。


織田は横目で見た後、海に視線を戻し静かに告げた。



織田「お前だけじゃないさ。

俺も初めて此処に来て、あいつの料理を食べたらどうしようもなく泣きたくなったよ。


でも、ここは、心は、温かくなってた。


全てを優しく包み込むような、そんな思いが込められているんだと思う。
それから俺は此処が気に入った」



織田は店内を懸命に掃除しているユリを優しげな目で見ると太宰に向き直った。



織田「太宰、お前はあいつの料理が嫌か?」



太宰は、暫し無言を保ったまま視線をユリに向けた。



視線に気づいたのかユリは箒を片手に手を振った。

それは余りにも嬉しそうな笑顔で太宰も吊られるように手を振り返し、薄く笑った。



手を下ろすと太宰の表情は柔らかくなっていた。



太宰「嫌じゃないよ、私も此処が気に入った。織田作の言った通り此処は心身を癒すにはぴったりの場所だよ」



織田「それは良かった」



この時の太宰の目は虚ろでなく、僅かながらも目に光を灯していた。



太宰「お、そうだ!いっそのこと此処に定住してしまえばいいのだよ!そうすれば美味しい料理が毎日食べられるし癒しの塊であるオーナーさんも毎日見られる!」


此処に住む・・・



織田「いいかもな」



太宰「だよね!お店の手伝いとかしたら住まわせてくれるよね?!」



太宰の料理・・・



織田「却下だな。客がしぬ」



太宰「ええ!!?」




外のテーブルにいる太宰さんと織田さん。
仲がよろしいのですね


貴女「ジュースをお持ちいたしました」



織田「ありがとな」



太宰「おお!オーナーさんいい時に来てくれた。ねえ!私ここに住みたい!」




貴女「おや、ん〜…少々難しいですね」



泊まるのは構いませんが、住むとなると色々と大変なのですよ。



ねぇねぇ良いじゃ〜んと太宰さんは駄々をこね、ぎゅうぎゅうと抱きつかれて困りました。

その時織田さんが首根っこを掴んで、一言すまんなと言って、太宰さんと帰宅なさいました。

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マッキー(プロフ) - 続き楽しみにしてます!! (2018年12月8日 22時) (レス) id: 0346650c4f (このIDを非表示/違反報告)
ウィル - 初コメ失礼します!この小説のおかげで黒の時代の良さを知ることが出来ました これからも更新 楽しみにしています!頑張ってください! (2018年7月31日 1時) (レス) id: dbdccbb925 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - これからの投稿を楽しみにしています (2018年7月6日 21時) (レス) id: d89e7bb0b2 (このIDを非表示/違反報告)
紗夜(プロフ) - こういう逆ハーもの大好きです!更新頑張ってください! (2018年7月5日 14時) (レス) id: 39ef03ba98 (このIDを非表示/違反報告)
- こういったお話大好きなのですが最近めっきり見かけなくなってて。とても癒されました。サラサラさんのご負担にならないようでしたら是非続きを読みたいです。応援しております。 (2018年5月16日 6時) (レス) id: b90d2a0275 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サラサラ | 作成日時:2018年2月23日 1時

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