今の大切な者は ページ20
「ワンワン！」
シロの鳴き声にユリは目が覚めた。
懐かしい夢を見た感じです…。
ぼーっとする頭を軽く抑え体を起こすと空はすっかり柑子色に染まっていた。
『寝過ぎてしまいましたね。帰りましょうか』
「ワンッ」
夢に出てきたあの人達は眼に生気を宿していない空虚な感じでした。
まるで闇の中を彷徨う魂のようで
でも、心までは無くしていないと思った。
私の料理を食べてくれて美味しいって言ってくれたから
あの旅人達は今、何処に居るでしょうか…
どんなに親しくなっても瞬く間にその人達は私の前から居なくなってしまう。
もしかしたら、あの旅人達も─────
『いけませんね。何時までも子供のようでは』
今は───
『織田さん、太宰さんもいらっしゃっていたんですね』
太宰「おお！やって来たようだよ織田作」
織田「今日休みなのに邪魔してすまない」
今は、今の大切なお客様がいる。
『いいえ、お気になさらないでください。
今日は木苺が獲れたので試作品を作りますが、食べていかれますか？』
織田「ユリが構わないなら」
太宰「勿論だよ！可憐な君の手で作られた物なんだったら何でも食そうじゃないか！そしてその可憐な君の手で私の首を絞めて『丁重にお断りさせて頂きます』ぇえ〜」
“ここでは”死ぬ事は許されませんから拒否です。
それでも「ねぇーやってよぉー」と言ってくる様子が可愛くて太宰さんの頭を撫で撫でしました。
そうすると気持ち良さそうに眼を細められるのが可愛らしくつい笑ってしまいます。
『ふふ、では喫茶店Requiem開店します』
ならば私はその日その日に出会ったお客様と過ごすこの時間を感謝し、大切にましょう。
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マッキー(プロフ) - 続き楽しみにしてます！！ (2018年12月8日 22時) (
レス) id: 0346650c4f (このIDを非表示/違反報告)
ウィル - 初コメ失礼します！この小説のおかげで黒の時代の良さを知ることが出来ました これからも更新 楽しみにしています！頑張ってください！ (2018年7月31日 1時) (レス) id: dbdccbb925 (このIDを非表示/違反報告)
暁(プロフ) - これからの投稿を楽しみにしています (2018年7月6日 21時) (レス) id: d89e7bb0b2 (このIDを非表示/違反報告)
紗夜(プロフ) - こういう逆ハーもの大好きです！更新頑張ってください！ (2018年7月5日 14時) (レス) id: 39ef03ba98 (このIDを非表示/違反報告)
凛 - こういったお話大好きなのですが最近めっきり見かけなくなってて。とても癒されました。サラサラさんのご負担にならないようでしたら是非続きを読みたいです。応援しております。 (2018年5月16日 6時) (レス) id: b90d2a0275 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サラサラ | 作成日時：2018年2月23日 1時
