3 ページ4
応募した、
別荘管理人は住込。
食事以外の管理業務全般が、
わたしの仕事だ。
『食事を担当してくれるスタッフは、
管理系業務も把握しているから。
わからないことがあったら、
遠慮なく聞いてくださいね。』
建物の案内や業務内容の説明は、ひと通り終わり。
『……料理を担当してくださっている、
スタッフさんは？』
『いま買い出し中のようですね。
そろそろ戻って来るかと思います。
先程別件で呼び出しがありまして……
すみませんが、私はこれで。
住居の案内は、
そのスタッフに対応をお願いしています。
何か困ったことがあったら、ご連絡くださいね。』
事務所のスタッフさんは、
感じのいい方で安心した。
あとは、一緒に働くスタッフを待つだけ。
どんなひとだろう。
楽しみと、不安が入り混じって。
そわそわしていた。
---
外で、車のエンジンの音が聞こえた。
『ん、』
ドアが開くと同時に、
両手いっぱいの荷物をもつひと。
『も、持ちます』
『あ。
……Aさん？
俺、須貝っていいます。食事担当。
よろしくお願いします。』
『Aです。
きょうから、こちらで働かせていただきます。
一生懸命頑張りますので、
どうぞよろしくお願いします。』
須貝さんは、にかっと笑って。
『んな、固くならんでだいじょうぶですよ。
あ、ソレ、持たせたままですみません。
こっち。持ってきてもらってもいいですか』
須貝さん、も。
感じのいい方だ。
……直感で、この別荘にして。
本当によかった。
このときのわたしは、
これからの困難を、
まだ、知る由もない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 66人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：345 | 作成日時：2022年10月29日 19時
