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すきなスタッフ。



男同士だ、とか、そういう偏見はないが。



あまりにもあっさりとそういうことを言うから。



……やはり。






………いや、それよりも。



目の前のこの人をどうするか。






柔らかい口調とは裏腹に。



目が1ミリも笑ってねぇ。



むしろ敵意隠せてないし。





『お客様。



誤解を招く行動を取りましたこと、



誠に申し訳ございません。



先程、所用から戻り、裏門を開けたところ、



当方スタッフのAと、



お話をされていらっしゃるようでしたので、



こちらで待機させていただきました。』




……嘘じゃない。



怪訝そうな顔をされても、



こちらに後ろめたいことなどない。




『……そうですか。




…………Aは、ただの同僚ですか?』




『恐れ入りますが、



回答は控えさせていただきます』



口元を『え』に動かして。



お客様が言葉を失っている隙に、



失礼いたします、とその場を後にした。








《ただの同僚》



『……人に言われっと、なんか腹立つな』



仮面をかぶりきれなかったことは、



サービス業として失格だが。



Aが絡むとどうにも冷静になれないことを、



自覚するしかなかった。

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作品ジャンル:恋愛
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作者名:345 | 作成日時:2022年10月29日 19時

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