23 ページ24
すきなスタッフ。
男同士だ、とか、そういう偏見はないが。
あまりにもあっさりとそういうことを言うから。
……やはり。
………いや、それよりも。
目の前のこの人をどうするか。
柔らかい口調とは裏腹に。
目が1ミリも笑ってねぇ。
むしろ敵意隠せてないし。
『お客様。
誤解を招く行動を取りましたこと、
誠に申し訳ございません。
先程、所用から戻り、裏門を開けたところ、
当方スタッフのAと、
お話をされていらっしゃるようでしたので、
こちらで待機させていただきました。』
……嘘じゃない。
怪訝そうな顔をされても、
こちらに後ろめたいことなどない。
『……そうですか。
…………Aは、ただの同僚ですか?』
『恐れ入りますが、
回答は控えさせていただきます』
口元を『え』に動かして。
お客様が言葉を失っている隙に、
失礼いたします、とその場を後にした。
《ただの同僚》
『……人に言われっと、なんか腹立つな』
仮面をかぶりきれなかったことは、
サービス業として失格だが。
Aが絡むとどうにも冷静になれないことを、
自覚するしかなかった。
続く (更新停止中) お気に入り登録で更新通知を受け取ろう
←22
67人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:345 | 作成日時:2022年10月29日 19時