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頭がまっしろになる。
須貝さんとの関係?
……何故?
『どうしてそんなこと聞くの?』
………聞きたいから、で終わりだよね。
『福良くんに、関係ある?』
…いや、感じ悪いな。
『職場の先輩だよ』
………そのあと、会話つづくのかな。
なんで聞かれたのか、気になる。
……いっそ。
『……わたしの、すきなひと』
---
福良くんは、感情のない顔で、
『そう』
とだけ言って。
くるりと背を向けて行ってしまった。
冗談、と言うつもりが。
全く言える雰囲気ではなかった。
福良くんを傷つけてしまった、
なんて自惚にも程がある。
謝るのも、おかしい。
………いまさらあれこれ考えたところで、
答えは出ないのはわかっている、のに。
こういうとき。
ひとりだと、永遠に彷徨ってしまう。
須貝さんの顔が浮かぶ。
(須貝さんに寄っ掛かりすぎ、だ)
『……………おこがましい』
声が、震えた。
頭を使わなくてもすむように。
わたしは須貝さんから頼まれていた
夕飯の下ごしらえに集中することにした。
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作者名:345 | 作成日時:2022年10月29日 19時