感電(sgi) ページ17
(魅惑 side:you)
いつから、
須貝くんのことを目で追うようになったか、
よく覚えている。
須貝くんの後ろの席に座った時。
筋肉質で大きな背中を見た。
……わけがわからないくらい、
どきどき、してしまった。
他の男子と、何が違うの?
と、何度も考えたけど。
答えは出なかった。
当然、須貝くんは人気があったが、
本人は誰とも付き合うそぶりはなく。
それがまた、格好良くて。
わたしの胸を苦しくさせた。
---
1年生のときに、
付き合っていた先輩に呼び出された。
先輩に貸してた本を返してくれると言う。
待ち合わせ場所の化学室は、
すこしひんやりしていた。
『A、遅れてごめん』
いえ、と言って会釈をする。
用事を済ませて、はやく帰りたい。
先輩がこちらにやってきて、
本をなくした、と言う。
それなら、なぜ呼び出したのかを聞くと。
よりを戻したい、と言う。
……頭が、痛い。
先輩だし、元彼氏ではあったが。
割と強めの口調で、
嘘をつかれたことに対する気持ちと。
よりを戻すつもりはないことを伝える。
先輩は、
取り繕うように言葉を並べ。
構えていたにも関わらず、
あっさりと
キス、されていた。
そしてそれを。
須貝くんに、見られていた。
---
誤解しないでほしいと、
伝えたときに。
赤くなって、
必死に弁明する姿を見て。
わたしは、
須貝くんがすき、という気持ちが抑えられなくて。
もう、喋らないで。
と伝えたくて。
指で須貝くんの唇に触れて。
そのまま、
須貝くんに近づく。
……至近距離で目が、あう。
『……さっきの、
事故で。
わたしが、
すきなひとは、須貝くん。』
『……こんな積極的なことして。
上書きだけじゃ、許さないよ?』
唇にそっと触れられて、
ぞくぞく、する。
『許さなくて、いいよ。』
わたしは、
………ゆっくりと。
落ちていくのを感じた。
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みゆ - うーん、全部の作品選べないくらい好きです!!! (6月4日 22時) (レス) @page33 id: 379497ea92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:345 | 作成日時:2022年10月14日 0時