You side ページ46
Aside
「ええよ。」って言ったら、せーちゃんはずっと浮かれとった。
せーちゃんがいろいろ頑張って考えた結果の条件なんやろうなって分かったから許可してんけど…そんなに嬉しい？笑
確かに、一緒に外出るのはほぼないし、２人きりで車に乗るのは初めてかもしれへんな。
末澤家で夜ご飯を食べて、しばらくした頃。
誠也「A、行こ？」
そう言いながら手を差し出してきたから
「行こっか。」
って言って手を繋いだ。
車庫があるから人目につかずに乗れるのええよな。
そう思ってドアを開けようとしたら、せーちゃんが運転席の対角線側のドアを先に開けてくれた。
「ありがと。」
誠也「ん。閉めるで。」
せーちゃんが運転席に座って、エンジンをかける。
軽快に走り出した車は、末澤家がある住宅街を抜けて街の方に来た。
「どこ行くん？」
誠也「んー決めてへん。この辺ドライブしようかなって思って。」
「そっか。」
誠也「夜って言っても、こっちは人多いよな。」
「やんな。やっぱり博多とかに比べても都会やもん。」
誠也「そうなん？ あ、海側行こっか。」
外を見て話しながら、景色を楽しむ。
兵庫は夜景が綺麗なとこが多いから好きやねんな。
斜め後ろから見るせーちゃんはオフの感じとキラキラの感じが半々でカッコいい。
信号が赤になって、せーちゃんがこっちを向いた。
誠也「A、手。」
右手を出したら、せーちゃんの左手と指が絡まる。
誠也「せっかくのドライブデートやしな。」
「…せやな。」
誠也「！…Aがデレることあんねや。」
「ええやん。ずっと会えんくて寂しかってんもん。」
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作者名：鶴 | 作成日時：2024年1月10日 0時
