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二軒目は宇髄さんの知り合いのお店らしいカラオケ付きのダイニングバーだった。
マイちゃんと2人は相変わらず息ピッタリで最近流行の曲を歌ったりしながらそのうちゲームなんて初めだして。これは朝までコースかもしれないなんて覚悟した。
「不死川さんは明日はお仕事大丈夫なんですか?」
『ああ、あったら宇髄の誘いになんて来ねェよ。Aこそ大丈夫なのか?』
「あはは!一緒ですね。私は今日のうちに片付けたんで大丈夫です!」
周りの騒がしさのせいで声が伝わるようと耳元へ近付くから、お互い自然と距離が縮まって行く。
しかし、それよりも強制的に参加させられたゲームで負け続けたせいでテキーラを何杯か呑んだせいか頭がフワフワしてきた。私よりお酒が弱い筈のマイちゃんはハイテンションで歌っているけど、いつも突然ぱたりと潰れるんだよなぁ、そろそろ帰らないとヤバいかな。なんて考えていたらテーブルに置いていたスマホが振動した。
(え…、なんで今更…。しかも通話って今は無理。)
画面に表示されたその名前がひんやりと体を包んだのはまだ未練があるからなのか、情なのかよくわからない。
反射的に拒否をタップして鞄の中へスマホを入れた。
『出なくて良いのかァ?…、その顔は元カレだろ。』
「……今更、話す事もないですから。」
なんて言いながら、鞄の中から聞こえたメッセージの通知音にバクバクと心拍が速まる。
何を期待してるんだろう、自分は。本当にあれは誤解でやり直そうなんて文面で見慣れたスタンプ…なんて都合の良い希望がふつふつと湧き上がる。
「…っ!!マイちゃん!私も歌う!!!!」
向かい合っていたソファー席から立ち上がると宇髄さんとマイちゃんの間に飛び込んで、小さな体を抱き締めた。
なになにー?なんて言いながらデンモクを貸してくれる。
と、私の前日の記憶はここまでである。
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桃 - もしかして禰豆子ちゃん...? (2021年3月31日 14時) (レス) id: 087676fea2 (このIDを非表示/違反報告)
月(プロフ) - まっちゃさん» はじめまして!わ〜嬉しい!!実弥さん推せますよねぇ…!続編も頑張りますのでぜひぜひ…! (2020年4月17日 15時) (レス) id: 734f5f4144 (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃ(プロフ) - はじめましてとてもとても面白かったです!!私最近実弥推しになってきたんですよww続き待ってます〜!! (2020年4月17日 10時) (レス) id: 89b3e401ff (このIDを非表示/違反報告)
月(プロフ) - Øさん» 初めまして!きゅんきゅんをお届けできてよかったです!!何度もとか嬉しすぎて!!ありがとうございます!続編も更新頑張ります〜!! (2020年4月16日 7時) (レス) id: fd204211f3 (このIDを非表示/違反報告)
Ø(プロフ) - 初めまして!とてもきゅんきゅんしながら何度も読み返してます!!!これからも無理しない程度で更新頑張ってください!応援してます!! (2020年4月14日 21時) (レス) id: 712c3e0bb6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月 | 作成日時:2020年4月12日 23時