検索窓
今日:2 hit、昨日:16 hit、合計:323,908 hit

35 ページ44

.



結局、モールの中を三周くらいして最初に見た実弥さんの履いてるのと同じメーカーの色違いのスニーカーを買う事にした。

紫と黒のポイントでラインが入ったそれは色物でも他の服とも合わせやすそうだ。







「…で、何で私のも買う流れに…?」


『付き合って貰った礼だよ、礼。…有難く受け取っとけやァ。』


(まぁいっか、…実弥さんとお揃いだし。)






なんて、同じ事を目の前の人が考えていたとは露知らず履き替えたそのスニーカーを見詰めて笑みが溢れた。

よし、これを写メってアイコンにしようなんてカメラを起動したら一回り大きな同じスニーカーが画面に入って来た。






『…?ほら、さっさと撮れよ。』


「へ?!ああ、…やっぱり実弥さんて」


『エスパーな、ほら行くぞォ。腹減った。』






自然に絡められた指。

その大きな暖かい掌に引かれるままお昼ごはん探しへと向かった。じんわり伝わる体温に高鳴る胸に、ご飯食べれるだろうかなんて心配したけれど歩き回って疲れた体にキツネうどんは染みた。






「はー、やっぱりキツネうどんのお揚げは甘めがいいですよねぇ…。」


『…Aってやたらちっこいパスタとか食いそうなのに和食派なのかァ?』


「む、今キラキラ系女子を敵に回しましたね?…パスタも食べますよ、そりゃ。」






いや、ここは可愛くパスタが正解だったかも。

でも美味しそうだったんだもん…このうどん。なんて目の前の人はまた大盛りにしたカツ丼を軽く平らげている。この食べた分が全部筋肉に行ってるのか?羨ましい。






ーーピロン!


書き慣れた通知音、自分かと鞄を探るけどどうやら私ではなかった。






『あー、お袋だわ。…Aも呼んで焼肉行こうだとさァ。』


「良いですよ、玄弥くんにも会えるかな?…楽しみです!」


『アイツは来るだろォ…。A、無理して来なくても』


「そんな事ないですよ!実弥さんの家族と仲良くなれたら嬉しいですし…!!」






それに、緊張するけど大丈夫。

私には余裕があって、大人で…やっと子供っぽいところも見せてくれる優しい彼氏が居るから。


.

36→←34



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (226 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
586人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

- もしかして禰豆子ちゃん...? (2021年3月31日 14時) (レス) id: 087676fea2 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - まっちゃさん» はじめまして!わ〜嬉しい!!実弥さん推せますよねぇ…!続編も頑張りますのでぜひぜひ…! (2020年4月17日 15時) (レス) id: 734f5f4144 (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃ(プロフ) - はじめましてとてもとても面白かったです!!私最近実弥推しになってきたんですよww続き待ってます〜!! (2020年4月17日 10時) (レス) id: 89b3e401ff (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - Øさん» 初めまして!きゅんきゅんをお届けできてよかったです!!何度もとか嬉しすぎて!!ありがとうございます!続編も更新頑張ります〜!! (2020年4月16日 7時) (レス) id: fd204211f3 (このIDを非表示/違反報告)
Ø(プロフ) - 初めまして!とてもきゅんきゅんしながら何度も読み返してます!!!これからも無理しない程度で更新頑張ってください!応援してます!! (2020年4月14日 21時) (レス) id: 712c3e0bb6 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2020年4月12日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。