別の人の彼女になったよ【不死川実弥】

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「毎回運転してもらってすみません…、今度は私が車出しますね？」


『ああ、でもAの車ちっちぇえからなァ。俺の車運転できるようになったら良いぜ。』


「えぇ…、練習付き合ってくれます？」


『おお、保険きかねぇから絶対擦るなよォ。』






…これは絶対わかってて言ってるヤツじゃん。

実弥さんの過去の話を聞いてから、なんだかこれも隠し事をしているみたいで少し気まずい。そしてバレそう。私は嘘を付くのが本気で下手なのである。






「……あのー、」


『なんだァ、またやらかしたのか？』






高速のETCレーンを潜った車は加速していく。

あれ？これって今話さない方が良かったかも、高速で怒られたらヤバいよね？元ヤンって聞いたし。






「怒らないで聞いてほしいんですけど…」


『その前置きはヤバいヤツだなァ、で？』


「風の噂で実弥さんの昔の話を聞いてしまって、なんか本人がいないところですみません。」


『……、宇髄かァ。』






やばい速攻バレた、宇髄さんの命が危ない。

あわあわと風の噂で！なんて伝えても笑いながらバレてるバレてると告げられた。






『つまんねぇ話だったろ、…まぁもう改心したから気にすんなァ。』


「…っ、いえ。でもホッとしました。実弥さんいつも余裕そうだったから…私、ボロ出したら嫌われちゃうんじゃないかって…」


『はは、初めて会った日に側溝ハマってた時点でボロもねぇだろォ。』


「……確かに。！、ってそうじゃなくてですね…」






ちらりと見上げた横顔はいつもと同じで前方を見ながら笑っている。

ひとまず、怒られなくて良かった。いや、そもそも怒られた事ないのに先入観でビクビクして私がバカだ。


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