41 ES編 -百太郎の知らない物語- ページ41
「好きな曲って言われてもな……」
「ピアノソナタでも、ドラマの主題歌でも、ゲームの音楽でも！」
「んなもん弾け――あ？ 待てよ、アレのサビぐらいならいけっかもな」
ぽーん、ぽーん、ぽろろん、ぽーん。
凛さんは両手を鍵盤へ。低音と高音の具合を確認して、小さく頷いておりました。
次第に響いてきたのは、少し前に桃ちゃんが良く口ずさんでいた曲です。
『歌ってるとさ、星、見に行きたくなるんだよねー』なんて笑って言いながら。
迷いなく動く両手の指が音を奏でる中、覚えてしまった歌詞が頭をよぎりました。
演奏が終わると同時に、凛さんが少し笑いながら私に言いました。
「音楽全般、苦手なんだなAは」
「――まっ、まさか口に出てっ!?」
「出てた出てた。気分は幼稚園の先生だったぜ」
「どうせ音痴ですー！ もー！」
大変です。浮かんだ歌詞は全て口から出ていたようです。
楽しそうに笑う凛さんをポコスカと叩きますが、なんだか肩叩きをしているような感じになってしまいました。
凛さんがこんなにも綺麗にピアノを弾けるなんて知りませんでした。確かこの曲はアニメの挿入歌？ だったように思えますし、なんだか意外だらけです。
「――あ、A。鍋！」
「あっ！ お鍋っ！」
ちょっと重ためのドアを開けるとセットしたタイマーの音が響いています。慌ててお鍋を確認しました。
タイマーが鳴ってからどれくらい経ったのかは分かりませんが、お鍋の中身に問題はなさそうです。
お鍋の火も止め、タイマーも止め。ガスの元栓も閉めてひとまずはこれにて。
戻ろうと振り返ると防音室はそのままで、凛さんがリビングの窓から空を眺めていました。
「凛さん？」
「うん？ ――あぁ、晴れたなって思って」
隣に立って同じようにすると、さっきまでの雨が嘘のように止んでいました。
雨雲もお出掛けしたようです。時間的に日は傾いてきていますが、綺麗な空が広がっています。
凛さんの演奏を聴いたからでしょうか。描かれていたストーリーが頭をよぎります。
「凛さん。今夜、その……」
「――夏の大三角でも探しに行くか？ つっても雨上がりだし、まだ季節的にも見えないか」
「では『夜空を観に行こう』にしましょうか」
「Aも、たまには良いこと言うじゃん」
ふふっ、ははっ、と小さく笑い合ってまた空を眺めました。
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Alice(プロフ) - コスミ＠終わらない夏さん» ばりばりｗｗ でも私もそんなイメージです(;^ω^) 愛ゆえに…！！ (2014年9月13日 22時) (
レス) id: be52c26f88 (このIDを非表示/違反報告)
コスミ＠終わらない夏(プロフ) - Aliceさん» 宗介は水泳が絡まないと、よくいる男子高校生、っというイメージなので、きっと下ネタばりばりいける派だろうと思って動いてもらった結果がコレになります。コスミの愛ゆえに歪めてしまいました。 (2014年9月13日 22時) (レス) id: a3fcdb67fd (このIDを非表示/違反報告)
Alice(プロフ) - アイス…絶望的ですね…(´・ω・`) 宗介の誘導すごいｗ (2014年9月12日 15時) (レス) id: be52c26f88 (このIDを非表示/違反報告)
Alice(プロフ) - コスミ＠終わらない夏さん» うああすみませんm(__)m 消しときます(;´Д｀) (2014年9月12日 15時) (レス) id: be52c26f88 (このIDを非表示/違反報告)
コスミ＠終わらない夏(プロフ) - Aliceさん» 喜んで頂けてなによりです！ ですが、曲名はその通りなのですが、検索避けの為に曲名は晒さないでおいて頂けると嬉しいです。調べれば分かる程度に濁した意味がなくなってしまいますので……。 (2014年9月12日 14時) (レス) id: a3fcdb67fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：コスミ
| 作成日時：2014年7月17日 0時
