検索窓
今日:17 hit、昨日:4 hit、合計:249,257 hit

28 ES編 Side百太郎 ページ28

.
 向かったそこは電気がついていて、ジュージュー聞こえるから絶対誰か作ってる!
 スパァーン!! なんて音を立ててドアを開けて早速お願いにかかる。

「よっしゃ!! 誰か知らないけど飯分け、て……凛、先輩?」
「んだよ、モモかよ。びっくりさせんな……」
「あ、ハイ。スイマセンでした」

 凛先輩の手にはフライパンと菜箸。
 近くに置いてある皿にはスッゲー綺麗に焼き上がってる玉子焼きが載ってる。
 フライパンの中身は野菜炒めっぽい。
 本能のままに鼻を鳴らすと、あれ? なんだか懐かしい匂いがするぞ?

「めっちゃイイ匂いするー……。凛先輩、オレ腹減っちゃって。分けてくれませんか!」
「まぁ、もう寮出れない時間だしな。半分だけならいいぞ」
「よっしゃ!! ありがとーございまーす!」

 あちこち見渡してみれば米も炊いてあるし、食器の場所も分かった。
 そろそろ出来上がりそうだし、二人分の準備をして待つ。
 気分はお預け指示をされているペットだ。あー、まだかなまだかな。

「っつーか、凛先輩って料理出来たんスねー」
「最低限はな。モモ、皿寄こせ」
「はいはーい!」

 そうして凛先輩の手料理を前に、両手を合わせて――いただきます!

「な、なぜ……」
「あ? んだよ」
「なぜ凛先輩が、御子柴家の味を……」
「…………」

 何度噛んでも、どれを口に入れても、広がるのはオレが親しんだ味。美味い。
 凛先輩は理由を言う気がなさそうだ。めっちゃ目ぇ逸らされる。
 黙々と箸を進めていれば、やっぱり一人分の半分。すぐ無くなった。

「オレと同じ味の玉子焼き……。姉ちゃんと同じ味の野菜炒め……」
「…………んだよ、その目」
「いえ……。偶然ってスッゲーなぁ、って思ってぇ」
「――ああ、そう」

 ふっ、と凛先輩がどこか困惑したように笑った。
 なんでだか知らないけど、この凛先輩のアンニュイな表情は結構見惚れる。

「んだよ。半分、つったろ。やんねぇぞ?」

 違う意味で見てたんだけど、そういうことにしておいてもらった。

29 ES編 Side百太郎→←27 ES編 Side百太郎



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (163 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
350人がお気に入り
設定タグ:Free! , 松岡凛 , 御子柴   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

Alice(プロフ) - コスミ@終わらない夏さん» ばりばりww でも私もそんなイメージです(;^ω^) 愛ゆえに…!! (2014年9月13日 22時) (レス) id: be52c26f88 (このIDを非表示/違反報告)
コスミ@終わらない夏(プロフ) - Aliceさん» 宗介は水泳が絡まないと、よくいる男子高校生、っというイメージなので、きっと下ネタばりばりいける派だろうと思って動いてもらった結果がコレになります。コスミの愛ゆえに歪めてしまいました。 (2014年9月13日 22時) (レス) id: a3fcdb67fd (このIDを非表示/違反報告)
Alice(プロフ) - アイス…絶望的ですね…(´・ω・`) 宗介の誘導すごいw (2014年9月12日 15時) (レス) id: be52c26f88 (このIDを非表示/違反報告)
Alice(プロフ) - コスミ@終わらない夏さん» うああすみませんm(__)m 消しときます(;´Д`) (2014年9月12日 15時) (レス) id: be52c26f88 (このIDを非表示/違反報告)
コスミ@終わらない夏(プロフ) - Aliceさん» 喜んで頂けてなによりです! ですが、曲名はその通りなのですが、検索避けの為に曲名は晒さないでおいて頂けると嬉しいです。調べれば分かる程度に濁した意味がなくなってしまいますので……。 (2014年9月12日 14時) (レス) id: a3fcdb67fd (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:コスミ | 作成日時:2014年7月17日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。