カメレオン (ページ6)

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＃０５ページ6

部屋に戻る途中、一室から笑い声が聞こえてきた。

コビー「？？？」

気になって立ち止まり、見聞色の覇気で聞いてしまう。

ヘルメッポ「どした？」

コビー「しっ！」

海兵「それにしても…お前あの件どうすんだよ…」

海兵「…A少佐ってコビー大佐の部下なんだろ？コビー大佐に報告とかしたのか？」

海兵「俺は…出来ねぇ…せっかく憧れてなった海兵を…辞めさせられるだけだしな…」

海兵「しかし驚いたなぁ！…お前が弾き飛ばした竹刀がA少佐に当たって…少佐額から血ダラダラだったもんなぁ…」

コビー「っ、え？」

海兵「やめろよ！俺もまさか少佐に当たるとは予測して無かったんだぜ？たまたまだよ！たまたま」

僕は一瞬で理解した。あのガーゼは転んでできたものじゃない。海兵の竹刀が当たって出来た傷

なんだ、と。

コビー「ヘルメッポさん！僕ちょっと行ってくる！」

ヘルメッポ「あ？ちょ、コビー！？」

僕はすぐにA少佐の部屋に行くと、ノックした。

『…！？た、大佐！』

出てきた彼女は驚いて唖然としていた。

コビー「額のガーゼ、取ってください」

『っ、…お断りします』

まただ。彼女の目が黄色に変色した。閉められかけるドアを押さえて、僕は彼女にもう一度言った。

コビー「取ってください！！」

『嫌です！！』

グイグイ閉めようとするドアを押さえながら、僕なりに頑張って聞き出そうとした。

いくら上司だからと今回の事は見過ごせない。というか放って置けない。

コビー「僕は全部知ってるんです！！諦めてください！！」

『コビー大佐！！離してください！！』

しばらくして、僕たちはドアの押さえあいっこで力尽き、息切れを整えていた。

『はぁ、はぁ…どうしてもですか？』

コビー「ハァ…は、はい」

A少佐は渋々とガーゼを剥がすと、僕に傷を見せてくれた。

コビー「どうして嘘をついたんですか？」

『…知られたく無かったから、です…コ、コビー大佐！あの海兵は見逃してあげてください！
私の不注意で巻き込んでしまっもの同然ですので、どうか！！』

コビー「クビにはしませんよ」

僕は彼女の額に新しいガーゼを貼りながら、そう言った。

コビー「良いですか？今度から何かあった時は僕を呼ぶか、報告してください！良いですね？」

『…すみませんでした』

A少佐がそう言うと、目の色が緑に変色した。