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二十三話 ページ28

NO side


ー数週間後ー

柏崎Aは、男子バレー部の使用している体育館の重い扉を引っ張った。

「失礼します。活動中に申し訳ありません。」

「お!?柏崎っ…!!お前ずっと学校も休ん……?」

走り出した道川の足が止まる。

それは、Aが私服だったからだ。

「…どうした?」

桐川が聞く。

何を言い出すかなんて右手に握られている茶封筒を見れば一目瞭然だった。

それを、その場にいた全員が悟った。

しかし寺春がその場の空気に耐えられないといった様子で声を上げた。

「あ、あのっ柏崎さん!前のこと、気に病まないで…私にも悪い所あっ「っるせぇなぁ!!!!!」ひっ…!」

「私に''も''ってなんだよ!!1から100まで全部お前が悪いんだろうが!!!」

「か、柏崎さ、落ち着いて、」

「ったくお前ほんと被害者ヅラすんの好きな!!!見飽きたんだよその顔はよぉ!!!」

「おいっ!言い過ぎだ「あぁ!?!?」

「言い過ぎなんかじゃねぇよ!!!!今までのコイツに比べりゃあよ!!!!」

「一旦落ち着け柏崎…!話全部聞くから…」

「今更かよそれ。お前らもお前らだよな。裏切りやがって。」

Aは監督の元へ早足で向かった。

そして無理矢理『退部届』と書かれた封筒を渡した。

「おい、ちょ、」

「私、柏崎Aはこれにて男子バレー部を退部します!!今までありがとうございましたぁ!!」

Aは早足のまま体育館を出て行った。

それを誰も追いかけなかった。いや、追いかけられなかった。

「か、監督!止めましょうよ、アイツ、退部って」

「…いいんだよ。」

「!?何言ってるんですか!?アイツも大切な仲間でしょ!?」

道川が監督に掴みかかろうとするのを、桐川が止めた。

そしてその桐川も、言った。

「監督、これは俺達の責任です。今からでも柏崎を…」

しかし監督は何を考えているのかわからない表情のまま言う。

「良いんだよ。お前らは悪くない。あれは柏崎の判断だ。それに寺春、柏崎に水かけられたんだろ?」

「は、はい…」

「でも!!!そんなの一回だけじゃないですか!!!!」

「''そんなの''じゃない。1人でも輪を乱す者がいれば、いくら個々が強く立って成り立たない。そうだろ?」

「…!!」

「柏崎は違う道を選んだんだよ。」

そして声を大きくして言った。

「練習を、再開する」

二十四話→←本編ではないです!



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設定タグ:裏切り , こじらせ , オリジナル   
作品ジャンル:その他, オリジナル作品
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もちサブ - お願いだ…夢主ちゃんをしあわせにしてくれえええええ)))))) (2022年5月17日 22時) (レス) @page35 id: 56e816f997 (このIDを非表示/違反報告)
三月 - わ〜!!面白かったです! (2022年5月17日 17時) (レス) @page35 id: 2f9ff98037 (このIDを非表示/違反報告)
613honoko(プロフ) - コメントしようか迷ったのですが…なんというか、不自然な終わり方でしたね。急に薄っぺらくなったような、人間らしい奥行きが無くなったような…他の小説は誰が言うでもなく自分が納得できるまで書いてみては? (2022年4月1日 14時) (レス) id: e49b0d2946 (このIDを非表示/違反報告)
作者 - 613honokoさん» コメントありがとうございます!やっぱり悪女側も内面を知ると好きになったりしますよね〜!更新頑張ります! (2022年3月26日 11時) (レス) id: 0c5a82d5af (このIDを非表示/違反報告)
613honoko(プロフ) - 寺春好きだわ、頭いい。幸福を掴むのは相応の孤独と地獄を見てきたものって相場は決まってんのさ、ハハハ。続き楽しみにしてます (2022年3月24日 18時) (レス) id: e49b0d2946 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:レタス様 | 作成日時:2022年1月29日 9時

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