九話 ページ12
あれから3日。
部員達は態度を変えないよう努力しているのかはわからないが明らかにバレバレだ。
私は前の件で信用をかなり失ってしまった。
寺春は当たり前だが被害者匂わせ面。
本当に最悪だ。
誤解を解こうとしてもきっと碌なことがないだろう。
莉子にでも相談してみるか…
その時、肩を叩かれた。
「A、おはよ」
「あぁ、莉子か!おはよ」
「…またなんかあったんでしょ」
「…まぁ、そうだね…」
ほんと、鋭いんだか鈍いんだか。
「話、聞いてくれる?」
「当たり前でしょ…、昼休みね。」
先生の話なんかいつも以上に入ってこなかった。
莉子にどう説明しようか、とにかく考えていた。
「はい、話してもらうよ」
昼休み。いつもの教室とは違う人気のない裏庭で、莉子と向かい合う。
「まずね…」
また話を聞いてもらった。
莉子にはこんな話ばかりで申し訳ないが、誰かに聞いてもらわなければどうにかなってしまいそうだった。
「ふーん…」
「その有川って奴に誤解って伝えれば?」
「いや…余計疑われるでしょ」
「うーん、そっかー」
「ごめん、私バカだから誤解の解き方とかわかんないや。聞いてあげることしかできなくてごめんね。」
悲しそうに莉子が笑う。
「ううん、聞いてもらえるだけでかなり心に余裕できるから!ありがとね!」
「それなら良かった〜、Aは頭良いんだから大丈夫だよ!」
莉子がいて、良かった。
こんなに心を許せる友達がいなかったら、私は今頃どうなっていただろう。
少し久しぶりに、心から笑えた気がした。
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もちサブ - お願いだ…夢主ちゃんをしあわせにしてくれえええええ)))))) (2022年5月17日 22時) (レス) @page35 id: 56e816f997 (このIDを非表示/違反報告)
三月 - わ〜!!面白かったです! (2022年5月17日 17時) (レス) @page35 id: 2f9ff98037 (このIDを非表示/違反報告)
613honoko(プロフ) - コメントしようか迷ったのですが…なんというか、不自然な終わり方でしたね。急に薄っぺらくなったような、人間らしい奥行きが無くなったような…他の小説は誰が言うでもなく自分が納得できるまで書いてみては? (2022年4月1日 14時) (レス) id: e49b0d2946 (このIDを非表示/違反報告)
作者 - 613honokoさん» コメントありがとうございます!やっぱり悪女側も内面を知ると好きになったりしますよね〜!更新頑張ります! (2022年3月26日 11時) (レス) id: 0c5a82d5af (このIDを非表示/違反報告)
613honoko(プロフ) - 寺春好きだわ、頭いい。幸福を掴むのは相応の孤独と地獄を見てきたものって相場は決まってんのさ、ハハハ。続き楽しみにしてます (2022年3月24日 18時) (レス) id: e49b0d2946 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:レタス様 | 作成日時:2022年1月29日 9時