続き ページ16
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「次、Aちゃんの番だよー?」
おーいと、目の前でブレる指を見てはっと我に返った。
お腹が空きすぎて、意識を飛ばしかけていたようだ。慌てて取り繕うにも、時すでに遅し。
福良さんはもうすでに私の異変に気が付いてしまったようだった。
「Aちゃん、具合悪いの?」
『いや、……ただ、朝からそんなに食べてなくて』
「朝ごはんは?」
『食べてないです』
「お昼ご飯は?」
『食べてないです……』
「ポテチは?」
『食べれないです……』
いや、なんで最後ポテチなんだよ!!普段、自分が夕飯にしているからって……あれ、この企画
失敗では……???
「……はあ、しょうがないなぁ」
深いため息を吐かれ、呆れたというように首をぶんぶんと横に振られる。……いや、あなたにだけは呆れられたくなかった。夕飯、ポテチの癖に!!!
「仕方ないから一緒に来て」
そういうなり、私の腕を引いて無理やり立たせ、居間へと向かった。
居間には、ライターさんたちのデスクがたくさん並ぶ中、冷蔵庫とコンロなど、少し簡素なキッチンが設置されているのだ。
キッチンの中が見える位置に設置されたソファに横になるように言われたので、大人しく指示に従うと、彼はひざ掛けのようなものをお腹のあたりからあしもとにかけて、掛けてくれた。
「なんか、簡単なもの作るから、ここで待ってて」
そう言いながらエプロンを着ける姿は、まさに本物のママ。
今こそ、福良ママという単語が使えそうな時。
はぁ〜い、と気だるげにでも声を上げれば、よしよしと頭を優しく撫でられた。
くそっ、普通に良いママじゃないか。やっぱり彼を見ていると、無性に女子をやめたくなってくる!!
スマホのカメラを使って、せっせか料理をするママを撮っていく。もちろん、彼には気付かれないように、慎重に。
毛布のおかげか、ぽかぽかと身体が温まってきて、だんだん眠くなってきた。
ふぁあ、眠い。……ちょっとって言ったくせに、まだ出来上がらなさそうだから、少し寝るか。
彼へのイタズラ企画を考えていて、疲れていた頭を休めるには絶好の機会だ……と言わんばかりに睡魔は自分に襲い掛かってきた。
もう、抗うのは……無理。
最後に見たママは、こちらの様子に気が付くこともなく、キッチンで忙しなく動き回っていた。
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唯華c - 了解しました!これからも応援しています!頑張ってください!! (2019年9月30日 1時) (レス) id: 7ff6de5a8e (このIDを非表示/違反報告)
瑞西(シャラルー☆)(プロフ) - 唯華cさん» いつも読んでくださってありがとうございます。リクは募集は一応しているのですが、少し複雑なので、公に募集をかける際には、本編の方で公募いたしますので、それまでお待ちください。 (2019年9月29日 11時) (レス) id: 705dc09b7e (このIDを非表示/違反報告)
唯華c - すごく面白いです!(上から目線ですみません!)更新がすごく楽しみです♪ちなみに、リク募などはしてませんか?もし、していたら教えて頂きたいです!これからも応援してます!(最後まで上から目線ですみません(・_・;) (2019年9月29日 0時) (レス) id: 7ff6de5a8e (このIDを非表示/違反報告)
瑞西(シャラルー☆)(プロフ) - みなも。さん» 了解致しました。それでは、宜しくお願い致します。 (2019年8月27日 16時) (携帯から) (レス) id: 0c3426b0a6 (このIDを非表示/違反報告)
みなも。(プロフ) - では私の方で削除させて頂きますね〜。マイナスなコメントは無いに越したことはないので(*^^*) (2019年8月27日 15時) (レス) id: d94cfd6036 (このIDを非表示/違反報告)
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