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｢ったく、須貝さんが本気にでもしたらどうするつもりだったんだよ。明日謝るんだぞ？｣
｢あぁ、須貝さん、僕とグルですよ。｣
｢はぁ！？｣
｢この『酔ってるフリ大作戦』、実は結構前に須貝さんと考えてたんです。ほんとは皆で飲み会したときにやろうって話してたんですけど、僕が今日勝手に実行しちゃいました。｣
｢おいおいなんだよそれ……。｣
明日、俺から須貝さんに謝っておこう……。
｢すみません。伊沢さん忙しいのに、こんな嫉妬に狂う恋人、嫌ですよね…。｣
ため息を着く俺の姿を見て、山本がもう一度頭を下げる。
好きな人が、自分のことで嫉妬してくれる。
それを嫌がる恋人がどこにいるというのだろう。
｢……許さない。お詫びに山本が俺を気持ちよくしてくれるなら話は別だけど。｣
｢……え……？｣
俺は山本の後頭部に手を回し、唇にキスをした。
舌を入れ、山本の口の中をまさぐる。
口の中はさっきのボンボンショコラの味がして程よく甘かった。
｢ん……ふ……はぁ……｣
山本が吐息をもらす。
そのまま押し倒し、舌を絡めたまま片手でシャツのボタンを上から1つずつ外していく。
最近全然こういうこと出来てなかった。
溜まってるのはお前だけじゃないんだぞ？
と、山本がボタンに手をかけている俺の腕を掴んだ。
｢待って、伊沢さん…｣
｢なに？言っとくけど、嫌とかそういうのは━━━｣
俺のセリフを無視して、山本はイきそうな目をしながら俺の耳元で囁いた。
｢ちゃんとベッドでしましょう。｣
俺の中のなにかにスイッチが入る。
｢お前……今日は泣いて頼んでも絶対止めてやんねーからな？｣
俺は山本をお姫様だっこし、寝室へと連れていく。
その日、結局山本からチョコレートをもらうことはなかった。
しかし、｢わるい事をした山本｣という大きなプレゼントは、チョコレートなんかよりもはるかに俺を満足させるものだった。
終.
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作者名：榎宮(kamiya) | 作成日時：2022年2月14日 18時
