可愛い子には菓子をあげよ。[ko] ページ6
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「あ、こーちゃんマドレーヌ食べる？」
「いいの！食べる！」
「どんどんお食べ！」
なんてやり取りが、ウチらのお約束だった。
それなのに、ここのところ全戦全敗で断られる。
前回はプリン。その前はカヌレ。その前は……
「はぁぁぁ」
「盛大なため息なんてついちゃって」
「須貝さーん」
「今日も断られたの？」
「これお菓子あげすぎて、お菓子に飽きちゃったんですかね？乾き物とかの方がいいですかね？」
「いや、それは違うと思うで」
オフィスの共有スペースで、社員さんと話し合いをしているこうちゃんを遠くから眺める。
「で、お姉さん今日は何作ってきたの」
「………クッキー。食べていいですよ」
“よっしゃ”なんていいながら、ちゃんと“ありがとう”も“いただきます”も言える須貝さんはいい人だ。
どうして私がこんなにお菓子を作っているかというと、全ての要因は単純な自分にある。
たまたま、カップケーキを作った日。
たまたま、目の前に気になるこうちゃんがいた。
たまたま、持ってたカップケーキを上げた。
たまたま、美味しいって天使の笑顔で言って貰えた。
そこから、暇を見つけてはお菓子作りが趣味になってしまって、こうちゃんに献上し続けていた。
「だってさ！可愛いんですよ！？お菓子あげたくなっちゃうじゃないですか！」
「まぁたしかに、次もあげたくなる気持ちは分かる」
「ですよね！」
「でも毎回は要らん」
「…これは、可愛い子にはお菓子をあげるって法律を作るしか」
須貝さんは、“ごちそうさま”と言って作業に戻ってしまった。
私も仕事終わらせて、チュロスの材料買って帰ろ。
なんて思った昼下がりから、時計の針は何周かして、現在17時48分。
話が盛り上がってしまって、普段なら電車に揺られているこの時間に、まだオフィスの廊下にいる。
「こうちゃんいいの？あれ」
「、、、いいわけないです」
「意地張らなきゃいいのに」
「でもやっぱり、好きな人には男らしくというかカッコ良く思われたいじゃないですか！」
そんな話が聞こえてきたのは、数秒前。
なるほど、こうちゃんには気になるお相手がいるのか。
とんだ爆弾に遭遇しながらも、意外と心のうちは冷静だった。来た道を引き返して聞き耳を立てるくらいには。
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りりぃ(プロフ) - シラユキ。さん» コメントありがとうございます！全て面白いなんて言っていただけて、嬉しい限りです⋆*リクエスト了解致しました。シラユキさんもご自愛ください𓂃◌𓈒𓐍 (9月24日 9時) (
レス) id: 25bf53f7a7 (このIDを非表示/違反報告)
りりぃ(プロフ) - ばたこさん» コメントありがとうございます！リクエスト了解致しました⋆*ご期待に添えるよう頑張ります！ (9月24日 9時) (レス) id: 25bf53f7a7 (このIDを非表示/違反報告)
シラユキ。 - お話全てが面白い短編集を見つけてしまった…リクエストいいですか…mnちゃんのお話を頼みたいです…！できればでいいのでお体に気を付けて頑張ってください！ (9月18日 15時) (レス) @page36 id: fd9c934f53 (このIDを非表示/違反報告)
ばたこ(プロフ) - いつも応援してます！リクエストなのですが、東言さんのお話みたいです、！更新ゆっくりで大丈夫です！！ (9月18日 11時) (レス) id: 2432bd82c3 (このIDを非表示/違反報告)
りりぃ(プロフ) - 葵さん» コメントありがとうございます！ものすごく嬉しいお言葉ばかりでニコニコが止まりませんでした*°今は少し忙しくまばらな更新になってしまいますが、是非お待ちいただけると幸いです！ありがとうございます！ (2023年3月31日 1時) (レス) id: 25bf53f7a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りりぃ | 作成日時：2022年9月24日 16時
