大好きな【川上】

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川上さんの彼女になって十数日。
そのことがQuizKnockメンバーにバレたのは、私が初の記事を掲載した三日後、出演動画がアップロードされるまさにその日のことだった。

「え？もう付き合ったの？つまんねぇ」
「ほんと？どっちが告白したの？ねぇ教えて」
「ああ、やっとですか？お似合いですよ」
「川上さんか……片口さん、気をつけてくださいね」
「えー、Aちゃんが取られたぁ」
「なにィ！？お父さんは許さんぞ！」

……遡るは、半日前。
あの日以来私が行くと言うと迎えに来てくれるようになった川上さんとオフィスに着いた時、いたのは伊沢さんとふくらさんのお二人だった。

『おはようございます〜』
「おはようございます」
「あ、ふたりとも、おはよ〜」

ふくらさんは、今まで通りのかわいいお兄さんだったのだ＿＿この時までは。

「Aちゃん、今日動画上げたあと、Twitterに写真載せたいから、撮ろ？」
『あ、いいですよ』

今思えば、伊沢さんのこの誘いを軽々しく受けてしまったのが間違いだったのかもしれない。


『……い、伊沢さん。近くないですか』
「え？こんなもんだって、俺、社会人だよ？」
「社会人やからとかやないです。離れてください」

写真を何枚か撮っているうちに、伊沢さんの手が肩や腰に回ってくる。距離が、近い。

「伊沢さん、怒りますよ」
「なんでだよ、気にすんなって。ね、もう一枚」
「そうだよ川上、みんなの片口さんだよ」

……わかった。これ、伊沢さんとふくらさんで、川上さんを煽ってる。
川上さん、愛されてるから、弄られるんだなぁ……。
でも、そんなことは川上さんに関係ない。
問題発言まであと5秒、

「ね？Aちゃん、もっとこっち＿＿」

「離してください。こいつ、俺の女です」

え？
川上さん以外の三人が衝撃を受けたところで、彼の手によって私は救い出された。
……と言うより、川上さんの胸元に入れこまれた。

「え？え？マジで？もう付き合ったの？」

もとから女性メンバーが少ないQuizKnock。
社内恋愛？とも言うべき状態が面白いのか、質問攻めされる羽目になったのだった。


＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_


冒頭の台詞6連は、上から
伊沢さん、ふくらさん、河村さん、こうちゃん、
山本さん、須貝さんの順です。

台詞の書き分けはできるだけ口調や呼び方で付けたいのですが、難しいです。

あと、作者は中部住み故に、間違った関西弁をつかっていたらすみません。

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