目眩く色彩３

102.ひさびさに ふたりで ページ7

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……10月も半ば。

9月の前半に一騒動あった東海オンエアとQKの飲み会も乗り切り、探りを入れられつつもコラボ撮影まで2週間を切ったある日。


川「A、今暇だよね」
『…いつから川上さんの目は節穴に？』
川「おい。(笑) ええから来いって」


オフィスでパソコンに向かってた私をやや(というかかなり)強引に押し切り、連行していった川上さん。着いたのは、行きつけの美容室だった。


…川上さんに教えてもらったわけだから川上さんの行きつけでもあるけど。
なぜここに？


『…あの？』
川「その髪結構ブリーチした？」
『え？まぁ…ハイ』


“綺麗に抜けてるもんな”とミルクティーよりさらに薄くなった何とも言えない色の髪をすくいながら言う川上さんに動揺を隠せない。

え、何…？
何企んでるのこの人？企画？


川「これを俺がAに頼むのもどうかと思うんだけど、――白にしてみない？」
『は？』
川「白」
『白？』


“ハクハツ”と分かりやすいように繰り返してる川上さん…え、自分でやりなよ。(正論)


『赤やら緑やらやってるんですからご自身でやれば…よいのでは？』
川「これ以上ブリーチ出来ないからさ」
『まさか企画…？』
川「違う。ま、ええやん！強要はしないけどやってみて欲しいってだけ。予約とってるし。」
『それ有無言わせないやつですやん』


私の反応にからからと笑う川上さん。


川「トリートメントだけして帰ってもええよ？」
『そんなことしないってわかってる癖に…』
川「(笑)何だかんだ言いつつ、やるって信じてる」
『やります、やりますよもう！』


まんまと口車に乗せられて軽やかなドアベルの音を聞きながら入店したのだった。


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“予約してた川上です”と声をかけてから荷物を預け、……そしてなぜか二人並んで座る。


『え、川上さんも髪メンテですか？』
川「俺がお願いしたのにそのまま放って帰れんやん」
『絶対帰ると思ってました』
川「そんな薄情に見える？」
『……ノーコメントで』
川「おい！」


そんな掛け合いに店員さんが笑ってる。
ドッキリ企画の前まではよく一緒に来ていたりもしたけど、久々に並んで座ると変な感じがするなぁ(笑)


“今日はどうします？”という店員さんの声を聞きながら、“川上さんにお任せします”と告げて 目の前に置かれた雑誌を手に取ってぺらぺらと捲った。


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