目眩く色彩

038. ページ41

fkr side
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倒れてから落ち着かない様子だった山本とこうちゃんは、目を覚ましたのを見てほっとしたのかオフィスに残ることに。

起きた瞬間から“フォルダ別で記事入れてあるから見て”だの何だの言い出すから、つい小言を言ってしまったのは許して欲しい。


…心配なんだから。


タクシーの後部座席に須貝さんと金澤が 俺は助手席に乗り込んで、状況を伝えておこうとグループLINEを開く。


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福良金澤ダウンしたから病院連れてく
俺と須貝さん抜きで出来る企画あったら進めてて
伊沢は?大丈夫なのそれ
川上もしかしてですけど、A倒れました?
須貝うん
川上やっぱりなぁ
オフィス向かってるんで撮影はこっちで何とかします
福良やっぱり?笑
川上そのくらいじゃないと素直に病院行かなそうじゃないですか
須貝あなた鋭い。
福良確かに笑
オフィスに山本とこうちゃん居るから詳しい話はそっちでしてね
伊沢心配だけど頼んだよ。Aオフィスに戻る?
河村一人暮らしなんだから家に帰しちゃ駄目でしょ
須貝戻るよ

…


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心配してる様子が伝わってくる文面にくすりと笑ってると、運転手さんが“着きました”と口を開いた。

後部座席組を先に降ろし料金を払ってから病院へ。


病院内は空いててすぐに診察の順番が回ってきた。


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診察の結果を先に言うと、風邪のウイルスと過労(や疲労)からのストレスで急性気管支炎を併発させているみたいだ。

栄養も水分もカラカラで“点滴をうけて”と医者に念を押されてた。その時の金澤の顔と言ったら…完全に“絶望”(笑)

注射は好きじゃないらしい。
好きな人そんなにいないと思うけどね。


袖を掴まれ金澤の傍から離れられなくなった俺のかわりに、須貝さんが薬を貰ってきてくれて1時間ちょっとで病院を後にした。


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福良終わったから帰るね


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連絡を入れると次々に“了解！”やらスタンプが返ってくる。はた、と画面の右上に表示されてる時刻に目が行った。

17:46…？


「……やば」
須「何？」

「動画間に合わない」


須貝さんが目を見開いて“…そんな日もあるわな”と俺の肩を叩いた。


そんな波乱の一日。


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