お狐様の魅惑 ページ7
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先程まで誰の気配も感じなかったところから聞き覚えのある凛としていて耳障りの良い声を耳にし、反射的に後ろを振り返った途端息を飲んだ
その姿はあまりにも人とは言えない獣耳と四つの尾が生えていた。左右非対称の黄檗色の髪色に着物を纏いしゃがみこんでいる私に蜂蜜のような金色色の艶がある瞳を向けて見下していた
幻影のように美しくその背に映える白い満月があまりにも彼に比例していて見惚れてしまった
「悪戯を施すなとこの前忠告しましたよね？」
突如彼から出てきた言葉に私は耳を疑い顔の表情筋が硬直した
視線の先には幼い男の子、まだ少しばかり泣きじゃくっているが狐の彼はやれやれと私の方に向き直った
「こいつ可愛い子供やなくて愚かな子泣き爺ですよ」
「えっ！」
「アンタ今頃その爺を抱き上げてたら確実に身体ごと潰されて命諸共やられてます」
男の子の顔に目を凝らしてもう一度見やると確かに老いぼれた表情そのものでかなりの悪者顔をしていた
子泣き爺って確か体重を石のように重くなるんだったよね…もしかして抱き上げてたら私はこの世からいなくなってた？
その言葉に少しずつ自分の顔がサーっと青ざめていくのがわかった。死んでたかもしれないという恐怖に思わずその妖怪から離れ、彼の後ろ背に隠れた
「ほらお嬢さんもよう分かったらしいし爺はとっとと森の中に帰っとき」
「う、うるさい化け狐！わしは誰かに抱き上がれるまで悪戯を辞めるつもりは無いわい！」
ピクリと彼の眉が動いて癪に触ったのか私の横を静かに通り抜けてどこか殺気立っているような笑みを浮かべていた
あ、この妖怪終わったな。
次の瞬間勢いよく妖怪に向けて一発片足を宙に上げた。すると妖怪は呻き声を上げたあとどこかへ消え去ってしまった
終始口を開けてポカンとする私。今とんでもなく恐ろしいところが見えた気もしたけど
「ふぅ、これくらいやったら少しばかりは懲りるやろ」
満足気に両手で音を立てて払ったあと何事も無かったかのようにこちらを振り向いた。その笑顔になんだか寒気がする
もしかしてこの人もとんでもなくヤバい感じの人だったりして…
「…さてと」
「ひぃ！」
「え、俺何もしてへんけど」
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夜紅茶(プロフ) - Naoさん» コメントありがとうございます！そんな前から見ていただいて嬉しいです！気長に続編を待っていただければ幸いです。 (2020年10月4日 19時) (
レス) id: 676346443e (このIDを非表示/違反報告)
Nao(プロフ) - この小説が書かれだした頃から見ているのですが夜紅茶さんの言葉選びは凄く人を惹きつけるもので素晴らしいと思います！続き待ってます！楽しみです！ (2020年10月4日 18時) (レス) id: b92cb2f456 (このIDを非表示/違反報告)
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