・ ページ41
・
扉の前に着くと「懐かしいなぁ！」と坂田様は興奮気味に木製扉の付近の壁に近づき古文が書かれた文字盤に付いている砂埃を手で払っていた。坂田様と浦田さんの国の国境の目印として設置されているだけなのかと思いきや近づいてみると不思議と妙な魔力を感じた
「ここはワープゲート。俺と坂田の国を魔力で繋いでる特別な場所」
「何故かこんな所にこんなもんがあったんよなぁ。俺もその事を知らんかったんよ。先代の貴族が作った可能性も考えられるけど」
「え？この扉ってお二方が作られた物ではないのですか？」
「俺が小さい頃にうらさんの屋敷に遊びに来た時に偶然壁の方から魔力を感知してな？そんで気になったから通路を整備しながら探してたらこの空間に扉が置いとったんよ」
どうやら彼らは様子を見る限りこの扉を所有している本人を詳しく把握していないらしい。浦田さんに至っては「一度も所有者が現れたことがなかったし勝手に使ってた」と平気そうな顔で淡々と話していた
しかし私にはもう一つ気になったことがあった。先程坂田様が見ていた昔の文字盤らしきものに吸い寄せられるように近づき私は上から下まで観察した
「A？」
「…『大地の勇気、白翼の導きが重なる時。ここに天空からの光差すことを記す。新たなる二つの希望に幸あることを願う』」
書物でも日常の中でもあまり見かけたことの無い文字だったけれども、目にした時に訳も分からず頭の中にスラスラと文字が水面から浮かび上がるように流れ込んできた
一通り読み終わり私は後ろに振り向くと二人は驚いたかのように目を丸くしてこちらに一点集中するかのようにじっと視線で姿を捉えられていた
♡:::::*::::♡::::*:::::♡
これは誰でも読むことができるはずのないエンゼルホープの魔力が込められた古い石版。内容は魔力を持っている人間しか解読できないのに意図も簡単にAは解いてしまった。自然と魔力があるかAの方を見てみるがそんな気もしない
じゃあ何で？と木に竹をついだような感じで辻褄が全く合わない
「A、お前もしかして」
「どうかなされましたか？」
「…いや、何でもない。そんなことよりこの扉開けたらすぐエンゼルホープに着くからな！」
俺はとっさに言葉をあやふやにさせた。もしかしたら秘められた可能性があるかもしれない。俺はそう隠し思いながら、目の前の木製扉を勢いよく開けた
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 247人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ヨル(プロフ) - コメントありがとうございます！何とかひねりにひねって作品を良いものにしていきたいと思いますのでよろしくお願いします (2020年1月16日 20時) (
レス) id: 676346443e (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - この作品好きです！続き楽しみに待ってます！ (2020年1月16日 20時) (レス) id: 1b1d47c664 (このIDを非表示/違反報告)
パピヨンlove - ヨルさん» いやいや全然！バイト〜〜〜頑張れ！！！！！（元気玉）いつでも待ってるよ（イケウ``ォ） (2019年8月21日 1時) (レス) id: 96ecbd33f4 (このIDを非表示/違反報告)
ヨル(プロフ) - パピヨンちゃんおひさ！ありがとねー！！今、バイトとかの予定で中々更新頻度が下がってしまってね…気長に待ってて！ (2019年8月11日 19時) (レス) id: 676346443e (このIDを非表示/違反報告)
パピヨンlove - ヨルさん久しぶり！！！！作品面白いね。読んでて楽しいよ！！更新頑張って！ (2019年8月11日 13時) (レス) id: 96ecbd33f4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夜紅茶 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/qZN5vxyJ6V2/
作成日時：2019年6月28日 15時
