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「天宮様、失礼します」
彼女が消えてから翌日、執事は俺の許可無くして一礼をしてから入ってきた。そんな様子に俺は目を向けず黙々と目の前の執務をこなしていた
重い空気を漂わせる中、執事は怖気付いたさまなんかは見せずに口を開いた
「今朝方、サニーフォレストから出国要請が届きました」
「…内容は?」
その言葉を聞いて一瞬資料を見る手を止めてしまい、とても嫌な胸騒ぎがしたような気がしたが話を促すように問いかけた
「代表貴族様からのお呼び出しだそうで手紙の最後には『問いただしたいことがある、来ないなら今まで関わってきた貿易関係はなかったことにすることも出来る』とのことです」
浦田さんは俺の街の成り立ちを逆手にとって脅しをかけてきたのだろう
話の内容は明確には見えてこないが何となく予想がつくものできっと彼女に関連することなんだろうなと容易に浮かび上がる
本当は嫌だけど。
「天宮様、私が貴方様に口出しをするなど失礼極まりないのですが」
「何?」
「そろそろご自身のことについてお考えになられてはいかがでしょうか?」
長年付き合ってきた執事から初めて意見を口に出され少し驚いたがなんとか平静を保ちながら表を上げた
「民のことを大切になされるところは貴方様の素晴らしいところです。しかしながらそろそろご自身のことを優先し生活をなさってもよろしいのではないでしょうか?」
藪から棒に唐突に話し始めた執事の言葉が分からないけどひしひしと脳内に突き刺さってくるような感覚がした
けれど俺は顔の表情を崩さないように心を押し殺した
「急になんの話?俺はこの通りだけど」
「私が申しているのは心境のことでございます。私がご覧する限り近頃の貴方様は随分表情が豊かになられました」
「そんなことないし仮にあってもそれは偽りだよ」
「…私には誠の感情だと思ったのですがね」
目の前で笑う執事は俺の幼少期からの顔なじみ。所謂昔から使えているという事だ
生まれた時から親切にしてきてくれたが笑顔を絶やさずされど苦しいことも一切見せずに隣に並んでくれていた
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ヨル(プロフ) - コメントありがとうございます!何とかひねりにひねって作品を良いものにしていきたいと思いますのでよろしくお願いします (2020年1月16日 20時) (レス) id: 676346443e (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - この作品好きです!続き楽しみに待ってます! (2020年1月16日 20時) (レス) id: 1b1d47c664 (このIDを非表示/違反報告)
パピヨンlove - ヨルさん» いやいや全然!バイト〜〜〜頑張れ!!!!!(元気玉)いつでも待ってるよ(イケウ``ォ) (2019年8月21日 1時) (レス) id: 96ecbd33f4 (このIDを非表示/違反報告)
ヨル(プロフ) - パピヨンちゃんおひさ!ありがとねー!!今、バイトとかの予定で中々更新頻度が下がってしまってね…気長に待ってて! (2019年8月11日 19時) (レス) id: 676346443e (このIDを非表示/違反報告)
パピヨンlove - ヨルさん久しぶり!!!!作品面白いね。読んでて楽しいよ!!更新頑張って! (2019年8月11日 13時) (レス) id: 96ecbd33f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜紅茶 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/qZN5vxyJ6V2/
作成日時:2019年6月28日 15時