ガラスの花に麗しいキスを【歌い手】 (ページ8)

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第二章【喫驚な出来事】ページ8

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喫驚

意外なことや突然なことに驚く様。

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時は刻一刻と進み、気が着けばパーティの時間がすぐそこまで来ていた

ウォールミラーの前に立ちくるりと一回転する…馬子にも衣装とはまさにこのことを言うのだろう。今の私が私じゃないように見える

「____どうかしら？」

奥様に着せられたのはＡラインのドレスで上が黒のレース生地、ウエストの部分にはゴールドのベルトに下は白い生地で作られている

「…素敵です」

「私が昔、舞踏会で着用したものを取り出してきたの。貴方に似合うと思って！」

「お心遣い感謝致します」

「今夜は立場や仕事のことは忘れて楽しんできてね？」

奥様は私のことを抱きしめ優しく背中を撫でてくれた。なんて暖かいのだろう、この人からはたくさんの愛を受け取ってしまった。

少し瞳から涙が出そうなところを抑えながらも私は奥様を抱きしめ返した。

「…さぁ、もう行かないとね？時間が過ぎてしまうしね？」

「はい、では行って参ります。」

奥様が用意された馬車に揺られながら、私は今日のパーティーがとても楽しみで心が踊った。

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