ガラスの花に麗しいキスを【歌い手】 (ページ5)

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「長旅大変ご苦労様です。ようこそ『トゥルース』へ」

「こちらにどうぞ？」と民に対する俺のイメージを崩さないように綺麗にお辞儀をし、城の中へみんなを入れた

最後に城の中へ俺が入り、エントランスの扉が閉まると一つ溜息を零し先程までの律儀な態度を崩した。

「づがれだぁぁぁ……」

「まだ始まってから20分も経ってないだろ」

浦田さんからやれやれと聞こえてきそうなくらい呆れられているけど本当に大変だったんだってば！！

だってあんなに俺がちゃんとした姿勢でみんなを出迎えると思う？んなわけないじゃん！！

本当は気軽に「やっほー」とか「いらっしゃい」とか言って普通の友達感覚で君らに話しかけたいけどさぁ！流暢なマナーとか面倒くさい物を守らなきゃいけないこっちの身にもなってよ！！

「それで？今回はいつパーティを開催するの？」

「明日」

「明日…って明日！？」

そらるさんは知らなかったらしい…というかその場にいる皆も鳩が豆鉄砲をくらったかのような顔をしていた

「天月くん、本気で言ってるの？」

「え、そうだけど？」と返すとまふくんはショックを受けたかのような顔で頭を抱えこんでいた

ちなみに街中にも招待状に封蝋を垂らしたものをあちこちの屋敷にばらまいているはずだ

「…無理、俺はパス」

「ダメだよ坂田？いくらなんでも今回は仕来りなんだから出席してよ？」

「……」

坂田は軽く舌打ちをしたあとホールから城内の客室へと足を進めた

「あー…これ坂田絶対に頭にきてんなぁ、どうするんや天月？」

「志麻くん、坂田と付き合い長いから任せる」

「は？俺！？いやいやいや、自分でまいた種くらい自分で処理しろよ！！」

「めんどくさいなぁ…」

坂田は大の女嫌いで、相手から近づいてくる時には無視をしたり軽く悪口を叩いてからあしらっていくのだ

とりあえず彼にはその場にいてくれないとエンゼルホープの国の平和と将来にも関わるので舞踏会までには怒りを咎めなければ

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同日の日が落ちる頃、老婦人の元に一通の封蝋が着いた手紙が届いた。封蝋の文様には月が描かれているため差出人はトゥルース城から

「…これは貴方に預けるわ」

「私宛ですか？」

「読んでみれば分かるわ」と言われ中身を確認したところとんでもないものが入っていた

『トゥルース城、求婚パーティのお知らせ』

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