ガラスの花に麗しいキスを【歌い手】 (ページ33)

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「すみません、荷物を持って頂いて…」

「ええねん、これくらいどうってことないよ。」

Aは柔らかい表情で俺の質問に答えてくれた。あれは何？と聞くと詳しく説明してくれて、ますます興味が湧いてくる。

そんな会話でほのぼのしてると中央の広場の方に人混みが集まっていた。Aも気になったのかそっちに目を向けてたから「行ってみるか」と言い手を引いていった。

見えやすいところに着くとそこには楽器隊が愉快気に演奏を行っていた。

「これ何？」

「週に一度このように街を盛り上げる人達が来るんです。代わり代わりのイベントなので面白いと評判を聞くんですよ。」

「Aはこういうの初めて？」

「はい、拝見するのは初めてです。」

アンリミテッドには無いけどこういうのもありかもしれんな、なんて感心してしまった。天月もおもろいことするやん。

すると周りの人達は様々に踊り始めた。陽気にしているがなんだか面白そうな雰囲気でなんだか俺まで踊りたくなってきた。

「な、俺らも踊らん？」

「え？…いえ、私は踊りなんて一切経験したことがないので…」

「大丈夫や、俺も踊ったことないから。」

俺は彼女の前に「だから踊ってくれへん？」と手を差し出した。彼女は一瞬戸惑いながらも俺の手を取ってくれた。

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