第四章【怯懦のオシロイバナ】 ページ22
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怯懦
臆病で気の弱いこと。
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…何だか城の中がやけに騒がしい。まーしぃがまた女でも連れてきたんか?
そんなん何が楽しいのか分からへんけど自分の仕事の邪魔だけはしないでほしい。おもっくそ迷惑だから。
早く帰りたいけど、クソつまんないパーティがあと2回ほど開かれるらしい。…不参加にしてくれへんかな。
そんなことを思っていた途端、部屋のドアから二回ノックが聞こえてきてそのまま扉を開けてきた。書類から目を離し後ろを振り返ると緑の貴族服が見えた。
「うらさんどうしたんや?」
「ちょっと息詰まった所があったから相談しに来た。お前関係のこともあるし。」
「ん、どこ?」
ここで仕事なんてしなくても良いけど、なんせ国の権力者が全員この城に集まっているため、相談もしやすいし効率も上がるから一石二鳥だ。
恐らくうらさんは緊急の仕事だからこんな風に相談しに来たんやろうけど。
「これでええんとちゃうん?」
「ん、そうするわ。」
「…ところでさ、なんやらいつもより城の中が騒がしいんやけど何してるん?」
「あぁ…」と目を逸らして気まづそうにしながらもうらさんは続けて答えた。
「その騒ぎは多分まふじゃない?そらるさんと話してたし。」
「…ふーん、ならいいんだけど。」
嘘っぽいな。まふとそらるさんは普段騒がしいとしてもここまで聞こえてくるような騒ぎはあまり出さない。
まーしぃ…の可能性は無いな。今日は機械関係の仕事してたし。
うらさんがじゃあーなと言って言葉を部屋に残したあと仕事を片付け終わった俺は少し息抜きで歩き回ってみることにした。
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作者名:夜紅茶 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/qZN5vxyJ6V2/
作成日時:2019年3月18日 7時