sugar×24 ページ25
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朝の最悪な空気の中での登校はもう慣れっこだった。いつもだったら鉄の重りをつけられたかのような足取りでここまで嫌々来ていたけど何だか昨日全部言ってしまったせいかいつもより心にかかっているはずの圧が異様に軽かった
ザワザワと話し声がする教室の扉を開けるとピタリとそのざわめきは一瞬にして消え去った。多分私が入ってきたからだろうけど。
まぁいつもの事だろうと気にせずに私は早歩きで窓側の席に近づいて注意深く目を向けた。
(…見た感じイタズラとか小細工はないか)
机の中や椅子、その他周りの確認などをして何もなかった為一応席に座り込んでみなみへの警戒心を強めながらスマートフォンに手をつけた
「Aさーん。やっほー」
突然スマホの目の前に手のひらを差し出されその反射で視線を上に向けるとみなみの取り巻きの一人、黒髪のおさげに目が少し大きめの女子が挨拶をしてきた。
いつも彼女は隣のクラスから態々こっちに来て私に対して酷い仕打ちをしている様子を見ているだけの子だった。
……今更どういう風の吹き回しなのだろうか。
「…何?」
「実は前々までのことを謝りたくてさぁ…ホントごめん!」
そしてその子は何を思ったであろうか両手を合わせて私に対して謝罪の気持ちを見せつけるかのように頭を下げてきた。
普通の子だったらここで「全然気にしてないよ」とかで返すんだろうな。でも今までの事を軽くごめんとか一言だけで許せるかと言ったら私はそこまで純粋じゃないから許せる心の余裕もない
一応納得した振りをして様子を見ておこう。
「うん。謝ってくれたんなら許すよ」
「ありがとう!じゃあさ今日の放課後お詫びとしてちょっと話があるんだけどいい?」
「分かった」
ルンルンと陽気になりながら彼女は自分のクラスの方に戻って行った。
…今日もなんか長くなりそうだな。
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夜紅茶(プロフ) - ちょこさん» コメントありがとうございます!続編を希望していただきありがたいです!一応こぼれ話としてなにか書けないか検討してみます! (2022年4月2日 11時) (レス) id: 2017f33955 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - とてもよかったです!その後話が欲しい! (2022年2月21日 4時) (レス) @page50 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
ヨル(プロフ) - さざんかさん» コメントしていただきありがとうございます!今後も作品を見守っていただければ幸いです! (2020年4月13日 9時) (レス) id: 676346443e (このIDを非表示/違反報告)
さざんか(プロフ) - 普段全く他の方の作品にコメントする事はないのですが、この作品は本当にドストライクなので初コメ失礼致します…!完結おめでとうございます!悪魔と天使のお話も凄く深いなと思いました。。伏線も凄く気になります…!今作品関連作品が出たらまた読ませて頂きます!! (2020年4月13日 2時) (レス) id: 63429259c8 (このIDを非表示/違反報告)
ヨル(プロフ) - コメント、評価をしていただきありがとうございます!ご期待に添えるよう努力していく次第なのでよろしくお願いします! (2020年4月3日 22時) (レス) id: 676346443e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヨル | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/qZN5vxyJ6V2/
作成日時:2020年2月24日 22時