誰も死なない優しい世界【Undertale】

五話 ママ ページ7

電話で何と言ってちょっかいを出そうか……
……そうだ！ママと呼びましょうえぇそうしましょう！

prrrrrr…

「トリエルです。」
『こんにちは、ママ。』
「えっ？あなた今私を…『ママ』と呼んだの？
あらあら…えっと…
それであなたは満足するの？
『ママ』と…呼ぶことで？
それなら、お好きなように呼んでくださいな！」

ガチャン…

トリエルさn……ママは若干上ずった声で言って電話を切る。
トリエルさんをママ、と呼ぶのは、こんな私がママと呼んで良いのか迷った。
…私は元々の本当の母。アイツを母とも呼びたく無いんだけどね。
まぁそのクソババアが何時も私やお姉ちゃんを虐☆待したりするものだから、私が、この手で、消した。
その時に産まれた人格が、僕。僕は基本暴れたりしない。けれど、最悪な思考を持って、ハッピーエンドからわざとリセットしてバットエンドに行く様なことをたまにしようとする。

そんな僕を宿して居る私は、血や憎しみで汚れている。
そんな私がトリエルさんの事をママと呼んでいいと言う事がとても、とても、とても嬉しかった。

……こんなシリアスな展開はそこら辺に置いといて。
電話でめちゃくちゃちょっかいを出そうと思っていた私はママ、と呼べただけで満足してしまった。

つまり。探索に行くと言うこと。モンスターと戦いたくない……

だけど行ったらきっとママが居るから頑張る。
そして、モンスター全員と仲良くなって、楽しい事が沢山出来る様に。

………この、数時間で私の思考は随分と変わっている気がする。いや、変わっている。
前までは、皆ﾀﾋぬ。なら今ﾀﾋぬ。と言うどこぞのドリルツインテール魔法少女と同じ思考を持っていた。だが、生き返らせられてから、こんなに変わるなんて思いもしなかった。

楽しくなるなんて、不可能。そう思っていたのに。
これもきっと、優しく接してくれる人…じゃ無いわね。優しく接してくれるモンスターのママや生き返らせてくれた神様の黒尾さんがが居てくれるからだろう。

こんなに楽しく思えたのなんて、何て久しぶりなんだろう。

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