素敵な恋の見つけ方 -2-

63 ページ13

「あっ、おはようございます！まぁまぁ寝れました……藤ヶ谷さん、席どこですか？」

「玉の部屋からすぐ帰ったでしょ？俺はここ！」

指差す先は通路を挟んで反対側

「近くてよかったー……なんか、普段接する事がない部署の人たちって話しづらくて………」

「そんな事より、なんで朝まで一緒に居なかったの？因みに玉はAちゃんの隣だけどね」

「あぁ………えっと……やっぱり勇気が出なくって………」


2人で話していると
眠そうに目をこすりながら歩く玉森くんが見える

「玉、おはよ！起きれてよかったな」

「もうガヤさんの起こし方怖い……」

「いや、俺が起こさなかったらまだ寝てただろ」

「ガヤさん俺の部屋の扉ブチ破る勢いでドンドンやるから頭がガンガンする！」

「そんな強くやってないって！それに頭がいたいのは玉が飲みすぎたから」

言い合う2人を見ながら苦笑いしていると
部長が入ってきた

「よーし！今日は俺からスタートだな！これから講義続きだけど、寝るなよー！アンケートという名の感想文書かせるからなー」

早速 長い1日が始まった

「うー………」

隣でうめく玉森くんをチラッとのぞく

(二日酔いの薬あげた方がいいかな……でも、喧嘩中って言われてるし……)

迷っていると藤ヶ谷さんから手紙が届いた
部長は黒板に何かを書いていて
全然こちらを見ていない

"玉に話しかけてみれば？昨日、私が部屋で介抱してましたって"

"そんな事言えないですよ……喧嘩中って言われてるし…そもそも無視されるかも……"

"絶対、大丈夫だと思う……玉も意地はってんだって！"

"でも、勇気がないです………好きって言ったら困らせるかも……"

"それでも、玉のこと好きなんでしょ？俺から玉の様子見てる限りさくらちゃんとは付き合ってないと思うよ"

"だけど、2人で……

「あっ……」


何往復かした後
途中まで書いたところで隣からサッと手が伸びて
手紙がなくなった
思わず口をふさぐ
幸い部長には気づかれていないようで
部屋が暗くなってDVDの鑑賞が始まった

64→←62

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す