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「玉森くん……」

ずっとポケットにしまっていた携帯を開くと
着信が5件………
開いて確認すると全て玉森くんだった

「………もしもし?」

「もしもし!Aさんっ?よかったー………今どこ?家?どっか外?」

「……家」

「よかった……すぐ帰るから家にいてね!出ちゃダメだよ!俺、今日残業で……本当にすぐ帰るから!あっそれか、電話繋いだままにしておく?(玉、ダメだって!それ誰と電話してんの?)」

電話越しに藤ヶ谷さんの声がする

「ごめん、やっぱ切るけどすぐだからね!タクシーで帰るから!」

「……うん」

玉森くんの声に少しだけ心が落ち着いた
やっと動く気力が出てきて化粧を落としに
洗面所へ入る
シャワーや洗濯機ですら
北山さんを思い出す…
考えないようにしてシャワーを浴びると
自分の酷い顔に驚いた

「こんな顔になる程好きだったんだ…」

まぶたをそっと触ると擦ったせいか
ヒリヒリして痛い
スープを温め直してマグカップに入れると
テレビをつけた
食欲は湧かないけど、このスープは食べられる

"ピンポーン"

全然頭に入ってこないテレビの音を
切り裂くように鳴るチャイム

「……はい」

インターホンを覗き込むと玉森くん

「……また鍵失くしたの?」

「はい……今日もわざと失くしました」

「そっか……」

ロックを解除すると部屋のドアを開けて待つ

「……ただいま」

部屋に入るやいなや
私をギュッと抱きしめた玉森くんは
そっと背中でつぶやいた

「…玉森くんの家じゃないよ」

「でも、待っててくれたでしょ?」

「…うん」

とにかく話したかった…聞いて欲しかった…
それが甘えちゃいけない相手だとしても…
しばらく抱き合って離れると

「俺、着替えてきてもいい?」

「あっ……うん、そうだよね……お腹空いてる?シャワー浴びてくるならその間に何か作ろうか?」

「いいよ…座ってて!」

部屋を出て行った玉森くんに少し寂しさを感じる
居ても立っても居られなくてキッチンに立った

「おまたせー……これどうしたの?」

シャワーを浴びて戻ってきた玉森くんは
食卓に並んだ食事を見て驚いている

「………要らないかなって思ったけど、残業してたら夕飯も食べてないだろうし…少しだけど………」

途中まで話すとそっと近寄った玉森くんが
後ろからギュッと抱きついてきた

「……ありがと」

「いや…こんな適当なので逆に申し訳ないよ……」

背中に伝わる熱い体温とフワッと香るシャンプーの匂いが私を余計にドキドキさせる

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設定タグ:Kis-My-Ft2 , 北山宏光 , 玉森裕太   
作品ジャンル:タレント
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作者名:ゆり | 作成日時:2019年3月30日 1時

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