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「あのさ、玉のことなんだけど…なんか知らない?ここんとこあからさまに元気が無くてさー、お隣さんのAちゃんなら知ってるかなって」
「あー……私、最近話してないです…ちょっと色々あって避けていたというか…あと、お隣さんって事は内緒にしてるんで………」
「なるほど………分かった!ところで
Aちゃんって付き合ってる人いるの?」
「今はいないですけど……」
「じゃぁ、もしよかったらでいいからうちの部署の飲み会この部署の子も何人か誘って来てくんない?うちの部署、男ばっかだから花が無くてさぁ」
「いいですよ!もちろん営業部の奢りですよね?」
「うわぁー……いいとこ突いてくるねー!分かった!奢るっ!その代わり絶対来てよ!」
「はいっ!」
少し話して時計を見るともう17時
"キーンコーンカーンコーン"
「ごめんっ!さくら、今日急ぐからっ!先帰るね」
「えっ?!あっ……うん」
さくらの返事を最後まで聞かずに
会社を飛び出した
「北山さんがまだうちにいてくれますように…」
駅まで走って息を切らして帰る
エントランスまで来ると
半分、祈るようにポストを開けた
(どうか鍵が入っていませんように………)
"カチャン"
「…………入ってない……よかったぁぁ」
ホッと胸を撫で下ろして
エレベーターへと乗り込んだ
鍵を開けて部屋へと入る
「……ただいまー」
そっと扉を開ける
"ガチャガチャンッ"
物音がした
「あっ、おかえり」
「ただいま………」
「ごめん、洗い物してて…」
「そんな、置いといてくれていいですよ」
「いや、一日寝たら楽になったから」
「ありがとうございます
何か食べられそうですか?」
「うん……でも、そろそろ帰ろっかなって…」
「……えっ…………あっ、そうですよね…着替えとかも……昨日来てた服は洗濯して乾いてるので今出しますね………」
(………帰っちゃうのか………でも、これ以上 引き留める言葉も理由も見つからない………)
「あのさ……ありがとう……いきなり押しかけたのにこんな………」
「気にしないで下さいよ!タクシーとご飯のお礼です」
「本当に………」
申し訳なさそうに肩を落とす北山さんを
見ていられなかった……
このまま北山さんが帰ってしまったら
きっともう…………
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作者名:ゆり | 作成日時:2019年3月30日 1時