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さくらと喧嘩してから数日……
さすがに部長も察知したようで
「さくらくんと何かあったの？最近、元気ないけど…」
「あぁ、ちょっと喧嘩しちゃって……」
「そっか………早く仲直りしてよ？さくらくんが暗いと部署の雰囲気が何というか……」
「………分かります」
部長が言いたい事も分かる
さくらはうちの部署のムードメーカーだ
さくらがいるだけで明るくなる
(だけど、口も聞いてもらえないんだよなぁ………)
ため息をつくとパソコンに向かった
「おはよーございまーす」
昨日から部長にお願いして
玉森くんの担当をさくらに変えてもらった
もちろん私が申し出たことは伏せてもらって
部長からは私が手一杯だから仕事を分散させる
という事にしてダミーで他の人にも
少しずつ仕事を振り分けてもらった
「さくらさん、俺ってこの報告書は明日までに出せばいいんですか？」
「うん、そうだよ！出来たらスキャンして私のパソコンにメールしといてくれる？多分、原本持ってくるより早いから」
「分かりました！じゃぁ、行ってきます」
玉森くんと話すさくらは楽しそうだ
(………これでよかった………)
玉森くんとは距離を置くようになって
社内では別れた事にされている
迷惑だと啖呵を切った私の一言が切り取られて
"振られた玉森くんかわいそう"
"振ったあいつは何様だ"
の雰囲気に心が折れそうになった
お昼ご飯を一人で済ませて
給湯室でコーヒーを淹れていると
"コンコン"
後ろからノックの音がした
振り返ると
「A………」
「さくら……どうしたの？コーヒー飲む？」
話すのは久々だ……
(自然に自然に……)
自分に言い聞かせながら
コーヒーカップを差し出す
「ありがとう………あと、ごめんね……八つ当たりして……玉森くんの担当、私にしてくれたのAでしょ？」
「違うよ！部長が仕事振り分けるって言ってたじゃん」
「ううん……分かってるの……そんな事してくれるのAしかいないって……あくまで自然なやり方もAっぽい」
「…へへへっ…バレてたか……余計なお世話だったらごめんね……私、さくらと仲直りしたくて……」
「うん…私も……Aは悪くないの分かってたはずなのにいろんな噂聞いて不安になって何も出来ない自分にもイライラしちゃって…ごめん」
「私こそ、ごめん」
2人で謝りあうと
「よかったー……ホッとした……毎日お昼寂しかったんだから……」
「ごめんっ！私も寂しかった……」
抱き合って泣いた
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作者名：ゆり | 作成日時：2019年3月30日 1時
