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1人でマンションへ戻ると
エントランスに座り込む人影が見える
「………誰?待ち伏せ??」
通り過ぎる時にチラッと見ると
「………玉森くん?!」
「あっ……おかえり。Aさん」
「どうしたの?誰か待ってるの?」
「うん……Aさんの事待ってた。ここならいいかなって…」
「………こんなところにいたら風邪ひくよ?」
「………うん。いいんだ……」
「よくないよ……こんな事で気をひいても私、なびかないよ」
「…………やっぱダメか………」
そう言って立ち上がると
エレベーターへ向かって歩き出した
「今日さ、北山さんと会ったよ」
「………………そう」
「彼女と同棲してるんだって」
「……………そう」
「…………泣かないの?」
「…………私を泣かせたくて言ってるの?」
「……………新しい恋をするなら僕にしなよ」
「セールスが下手ね……」
「……明日も一緒に帰っちゃダメ?」
「うん……もう一緒に行くのも帰るのもダメ」
「そっか………」
「おやすみ」
「………」
ガチャっとドアを開けると
閉めた扉にもたれかかった………
(なんでもないふりをするのも結構上手くなったな………)
北山さん、彼女と同棲してるのか………
じゃぁ、自炊しなくても彼女がやってくれるじゃん……
コンビニ通いだってしなくていいじゃん……
あの日話したこと、どこまでが本当だったんだろう……
付き合ってる人がいるのに
女と2人きりで飲むってどんな心境だろう……
彼女が家でご飯作って待ってたかもしれないのに……
知らなかったとは言え
無理に誘ってしまった罪悪感と
同棲しているという新しい事実を突きつけられた
ショックでしばらく玄関に座り込んでいた
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作者名:ゆり | 作成日時:2019年3月30日 1時