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「部長、すいません!新人教育してて」
「おー、いいよいいよ!あのさ、このサーバーなんだけど…」
「はいっ!」
(からかってるのかな………)
マスク越しとはいえキスされたのなんて久しぶり
"ドキドキドキドキ"
鼓動がなかなか治らなくて仕事中はうわの空……
"キーンコーンカーンコーン"
終業のチャイムが鳴って席を立つと
残業するというさくらに手を振った
(メガネのお礼しなきゃなー)
すっかり腫れの引いた目を触ると
心も落ち着いていることに気づいた
(年齢重ねて立ち直りも早くなったのかな…)
それでも、駅に向かって歩く人の中に
無意識に北山さんの後ろ姿を探していた……
「Aさーんっ!置いてかないで下さいよー」
「この声は………玉森くん、声が大きいよ…」
「…すいませんっ!でも、全然待ってくれないんですもん」
「まず自分がしたこと謝ったら待っててあげたけどね」
「……会議室の事なら謝りません」
「……そう。じゃぁ、私たちこれで終わりね」
「えっ?!マスク越しだからセーフじゃないですか!」
「セーフとかアウトとかそういう問題じゃないの!大人をからかわないで」
「からかってません!本気です!それに俺だって子供じゃないっ!謝ったらあの時の俺の行動が嘘になるじゃないですか!だから、謝りませんっ」
「…私、好きな人がいるの」
「……えっ」
「…北山さんの事好きなの…だから泣いてたの。彼女がいるって知らなかったから…これで分かってくれた?」
「…嘘。…あきらめません」
「…本当よ。……そういう熱意に心を動かされる人もいるかもしれないけど、私はそういうタイプじゃない」
「……まだ好きって言ってません!」
「…………玉森くん、何がしたいの?私にどうして欲しいの?泣いてた理由も言ったし、これでいいでしょ?」
「…………でも、俺はAさんに一目惚れしちゃったし 話してみたらやっぱりかわいい人だって思ったし だから……あきらめられません」
「………本当にごめん……彼女がいる事は分かったけど、私まだ北山さんのこと好きなのよ…だからその気持ちには応えられない…」
「それでもいいです……」
「………そう」
そこからは何も言わずに
マンションへと帰った
さくらがどのくらい本気で
玉森くんを狙ってるのか分からないけど……
私は親友の恋を応援したい……
いつも私の恋を1番近くで応援していてくれたから…
(さくらが聞いたら怒るかなぁ……)
憂鬱な気持ちのまま眠りについた
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作者名:ゆり | 作成日時:2019年3月30日 1時