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「でっ………ですよね!私も遅いなーって思ってて……どれくらい待ってらっしゃるんですか?」
何とか話を広げようと会話を絞り出す
「おねーさんが来る少し前だから、待ってる時間は変わんないと思いますよ」
ニコッと笑った顔に心を撃ち抜かれる
もっとこの人のことを知りたい………
そう思った矢先………
目の前に1台のタクシーが到着した……
「急いでるなら、先どうぞ?」
(イケメンは心も優しいんだな……)
くだらない事を考えながら
「いえっ!大丈夫です!すぐ来ると思うし」
「そうですか……あっ、家どっちですか?僕、〇〇方面なんですけど方面一緒なら相乗りしませんか?」
「えっ?」
嬉しい反面戸惑う私………
「今日は飛行機が遅れてみんな空港方面に出払っちゃってるから、次のタクシー来るの遅くなると思うよ」
運転手さんの一言で
「……じゃぁ、相乗りしてもいいですか?」
私の一歩が踏み出せた
奇跡的に方面は同じ
今まで何度も合コンに参加して来ても
出会えなかった王子様に
こんなに簡単に出会える日が来るなんて……
半分、感動しながらもタクシーに乗り込む
「そっち、狭くない?」
「あっ、大丈夫です」
細やかな気遣いに顔がニヤける
「どの辺まで乗りますか?俺は〇〇らへんなんだけど…」
「えっ!私もです!〇〇の近くのマンションに住んでて………」
話してみるとお互い思ったより近くに住んでいて
「〇〇のコンビニよく行くよー」
「じゃぁ、〇〇の角のお店知ってます?」
近所の話で盛り上がった
話している間にあっという間に
ついてしまった私の家………
「俺もすぐ近くだしここで降りる!」
そう言って一緒に降りたイケメン王子様
当たり前のようにお金を出してくれて
2人でタクシーを見送ると
「じゃ……」
と言って歩き出す………
「あのっ!連絡先、教えてもらえませんか?今日のお礼もしたいし」
合コンの後ならサラッと言えるのに
なかなか言い出せなかったこの言葉………
「お礼なんていいよ」
手をひらひらさせながら
イケメンは歩いて行ってしまった……
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作者名:ゆり | 作成日時:2019年3月30日 1時