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「………ごめん……こんなとこで……」
「大丈夫だよ……うち、泊まる?」
「ううん、大丈夫…明日も仕事だし……営業さんね、タクシー王子だったの…北山さんって言うんだけど 藤ヶ谷先輩との話の流れで彼女いるって言ってて………私、すごいショックで…ご飯行けて舞い上がってたから……」
「そっか………」
「………私、一目惚れとかあんまりしないタイプだと思ってたけど 自分でもビックリした……私、こんなに涙が出るほど好きだったんだなぁって……」
「………そうだね……ずっと会いたがってたしね……すぐ次に行けとは言わないけど、恋で傷ついた心は恋でしか治せないよ」
「ふふふっ、それ誰の受け売り?」
「………部長」
「やだー!!!あははははっ!部長、そんな乙女チックな発言するんだ!ってか、どんなシチュエーションでその話題になんのよ!」
大笑いすると少し気持ちが楽になった
「明日からも頑張ろうね!」
「うん……さくら、ありがとね。さくらが居てくれて本当に助かってる」
「やだ!やめてよ!急に!」
さくらと別れると電車に乗って家へと向かう
マンションまでの道を歩いていると
後ろからパタパタと走る音がした
「Aさーんっ!」
この声は………
「玉森くん……どうしたの?」
「ランニングです!この格好で分かんないですか?」
「あぁ……暗くてよく見えなかった」
「今日の北山って人、紹介されなくて良かったですね!チャラそうだったし」
「北山"さん"ね」
「はい……北山"さん"」
「それより、明日から一緒に出社しません?あと、帰りも!」
「………なんで?」
「もう冬だから朝も薄暗いし、夜はもっと暗くて危ないからです」
「気持ちは有り難いけど、大丈夫よ……割と明るい道通るようにしてるし」
「でも……どうせ同じ場所に行くんだし…」
「………玉森くん、女の子たちに誤解されるよ?」
「別にいいですよ……」
「私は良くない………こないだの事だって噂されてるのに……」
「………すいません」
「…………ごめん。嫌な言い方した……今日ちょっと色々あって……ごめんね……また今度」
そう言うと立ち尽くす玉森くんを残して
足早にマンションへと向かった
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作者名:ゆり | 作成日時:2019年3月30日 1時