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「おはようございまーす」
「おはよー」
今日から1週間が始まる………
憂鬱な気持ちに輪をかけるように
雨が降る
傘を閉じて社内へ入ると
いつものようにさくらが顔を出した
「おはよ！今日の取引先の営業さん、イケメンらしいよ？」
「それ何回も聞いた事ある。大体、誰情報なの？イケメンって」
「そりゃ、部長に決まってんでしょ」
「当てになんないなー」
「お茶出しジャンケンする？」
「しないよ、さくら行きなよ」
「やだ、ノリわるーい！連絡先聞けなかったことそんなにショック？」
「違うよ！雨だから！雨って憂鬱になんない？」
「そう？私は大丈夫」
「そう………」
応接室の使用欄には10:00の記載
「イケメンねー……」
独り言を呟きながらパソコンを立ち上げた
「Aちゃん、今日の打ち合わせさぁ お茶出し最初に一回でいいや、そんな長くなんないから」
資料を片手に藤ヶ谷先輩と玉森くんが顔を出した
「分かりました！さくらに伝えます」
「あれっ？Aちゃんじゃないの？」
「今日はさくらにお願いしようかと思って……」
「Aちゃん忙しい？俺としてはAちゃんに出してもらいたいんだけど……」
「えっ？どうしてですか？」
「いや、今日来る営業のやつプライベートでも仲良いやつなんだけど最近彼女と別れたって言っててAちゃんどうかなって勝手に思ってたんだけど…こんな理由でお茶出しとか嫌だよね。ごめん！さくらちゃんに頼むわ」
「………私、やります！藤ヶ谷先輩が勧めてくれる人なら素敵な方だろうし」
「本当？よかったーじゃあ、10時に入ってすぐお願いできる？」
「分かりました」
にこりと笑う私を横目に
「断っちゃえばいいのにー」
ふくれる玉森くん
まだ何か言いたげな顔をしながら
藤ヶ谷先輩の後を追いかけていった
お茶だしの時間が迫り
さくらに自分がお茶出しする事を伝えると
給湯室へと向かう
それぞれ湯飲みにお茶を準備して
お盆に並べると
"コンコン"
応接室の扉をノックした
「失礼します」
扉をあけて中に入る
顔を上げた瞬間
「えっ？！」
思わず声が出てしまった
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作者名：ゆり | 作成日時：2019年3月30日 1時
