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「おっ!アレだよね?」
「そうですっ!席空いてるかなー?」
"ガラガラ"
引き戸の扉を開ける
"いらっしゃいませー!2名様?お座席空いてまーす!2名様入りまーす!"
威勢のいい声が響く
上着を脱いで席に着くと目の前に北山さん……
(やばい……王子と対面なんて…勢いで食事誘っちゃったけど、化粧直ししてから席に着けばよかった……)
後悔しながらメニューに目を落とす
「取り敢えず、生2つでいい?」
「あっ、はい…」
「すいませーん!生2つー!」
「俺、なに食おっかなー!実はすっごい腹減ってたの」
「ふふふっ!私もです」
適当にメニューを頼むと
すぐにお通しとビールが届いた
「じゃ、取り敢えずカンパーイ」
グラスを鳴らしてビールに口をつける
「そういえばさ、タクシー相乗りした日 何であんな遅い時間にあそこにいたの?確か終電過ぎてたよね?」
「あー……えっと友達と飲んでて、酔った友達送ってたら終電逃しちゃって」
適当な嘘でごまかす
(王子の前で合コンだなんて言いたくない…)
「そうだったんだ」
「北山さんは?お仕事とかですか?」
「うん…まぁそんな感じ」
(なんかはぐらかされた気がする……)
煮え切らない答えに踏み込みたいけど
踏み込めない……
「そうだ!北山さんってどんなお仕事されてるんですか?」
「俺は営業!サラリーマンですよ、そんな感じする?ザ営業マンって感じするってよく言われるんだけど」
「ふふふっ!そんな感じします!何だろうなぁ、話しやすいからですかね」
「Aさんは?スーツって事は…」
「あっ、私は営業ではないです!営業さんのフォローがメインなんですけど、ほとんど社内で事務作業です」
「へぇー、パソコン打つの早そう」
「早いですよ!得意分野ですから」
「はははっ!おかわりする?」
いつのまにか空になったグラスを指差して
北山さんが微笑んだ
「あっ……えっとやめときます…///」
「なんで?俺も飲みたいし、付き合ってよ」
少し残ったビールを飲み干すと
「いい?」と首をかしげた
「………はいっ…///」
お酒で少し赤くなった顔に
ドキドキしながらうなづく
「すいませーん!生2つ!」
北山さんは大きな声で注文すると
おつまみに手をつけた
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作者名:ゆり | 作成日時:2019年3月30日 1時