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「お願いッ！出てくれるって言ったじゃん！」
「ムリムリ私、もうやめたの！そーゆーの」
「お願いってばー！そんな事言わずに…Aいないと盛り上がんないのよ…」
「秘書課の子達、誘えばいいじゃん」
「あー…ダメダメ。相手が、そーゆーおしとやか系求めてないメンバーだし。今日が最後って事にして、今度からは誘うのやめるから！お願いっ！」
「…………ちょっと！私がおしとやかじゃないって言いたいわけ？………まぁ別におしとやかじゃないけど………わかった。絶対、今日が最後ね！」
今まで、私は合コンの女王と呼ばれるほど
合コンに参加してきた
パイロットに警察官、公務員に大手企業社員……
でも………回数を重ねるごとに
"王子様は現れない…"
そう確信していく自分がいる…
「もー…合コン卒業するつもりだったのにー」
今までしょっちゅう一緒に合コンしていた
同期のさくらに文句を言いながら仕事する
「でも、A！今日のは絶対行っといた方がいいよ！イケメン揃いだって聞いた！」
「それ、毎回言ってない？…信用出来ないなー」
笑いながら横目で見る
「ホントだって！」
「わかった！…で、何時からなの？合コン」
まだ膨れっ面のさくらをなだめながら
時間を確認すると
「17時半」
「はぁぁぁ？今、17時半じゃん！ってか、絶対間に合わないじゃない！なんで、早く言わないの」
「えーっ、だって後から行った方が目立つじゃん」
得意顔のさくらに思わずため息が出る………
「早く行くよ…そーゆー駆け引き意味ないから」
慌てて仕事を切り上げてさくらを引っ張って
店へと向かう
「遅くなりました…」
恐る恐る個室に入ると4対4のテーブルに
ポツリポツリと座る男性陣…
「あれ？女性陣は………」
多少の気まずさを残しながら男性陣に聞くと
「お手洗いに行ったまま、まだ戻っていなくて…」
「……わかりました。じゃぁ、私たちで楽しんじゃいましょ！」
お節介で世話焼きの本領を発揮して
初っ端からまるで接待かのように
男性陣をもてなす
「4対2になるのも分かるルックスの低さだね
しかも、話もつまんない」
小声で話すさくらを制止して
「そろそろお開きにしましょうか！私たち、明日も仕事なので…また機会があれば」
そそくさと立ち去って
さくらと2人で適当な居酒屋に逃げ込んだ
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作者名：ゆり | 作成日時：2019年3月30日 1時
