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中原さんと治さんの戦いが繰り広げられる。
戦い…というか、一方的に中原さんが治さんを攻撃しているのだが。
治さんはその攻撃全てを避けたり受け流したりしていた。
中原さんの攻撃が全て “ 視えている ” かのように。
太宰「相変わらず出鱈目な攻撃だね…
そんなものが私に当たるとでも思っているのかい?」
中原「…ッ糞が!!」
中原さんは明らかに疲れている様子だ。
治さんも余裕そうに見えるが、確実に体力を消耗している。
ほとんど両者互角の戦いだ。
私は、どうすればいい?
彼の為に、何ができる?
…いや、彼のためじゃない。自分のためだ。
………でも。
中原「何が、手前をそこまで歪ませた!?
手前は何処で道を間違えたんだ!?」
太宰「私は何も間違えてなんかいないさ。
ずっとAを想っていた、この気持ちに揺るぎはない!」
一瞬、中原さんに隙が生まれた。
そこを見逃さなかった治さんが中原さんの額に銃を突きつける。
中原「っぐぁ……!!」
太宰「君は、此処に来ると決めてから分かっていたのだよね。
Aを連れ出すのに失敗したら
中原「…嗚呼、分かってたぜ。
俺を殺してぇんなら、其奴を___Aを解放しろ!!」
太宰「煩い!!」
治さんが、ガチャリと拳銃の引き金に力を入れた。
反射的に私は叫んでいた
『やめて!!!!』
二人が目を見開いて私を見た。
『やめ、て…下さい
治さん、私は逃げたりしない、から、だから…
中原さんを、見逃がして、下さい……』
中原「ッ手前、何で_!!」
『大丈夫。私は、大丈夫です。
貴方が命を懸けるような、そんな綺麗な人間になった覚えはありません
私が、耐えれば___』
誰も、傷つかない。
そうだ。
私が、耐えれば済むんだ
中原「綺麗だとか、そんなんは関係ねぇだろ!!
そんなんだったら俺なんかより手前の方がよっぽど綺麗な人間だ!!
何で、手前が…っ!」
『お願いです。
私のことを、忘れて下さい。
私を、此処を、貴方の中で無かったことにして下さい。
………それしか、善い方法が思いつかない』
中原「何、で…」
太宰「…蛞蝓でも、ちゃんと耳があれば聞こえたよね?
流石の私も相棒を殺したくはない、Aの云う通りにし給え」
中原さんは、強く、強く、唇を噛んだ。
_____きっと、私はもう、逃げられないのだ。
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河童系人間。(プロフ) - 太宰皐月さん» ありがとうございます!!!一度こういうのやってみたくて頑張りました!! (2019年8月27日 16時) (レス) id: 71718cf80e (このIDを非表示/違反報告)
太宰皐月 - 一番最後の「だいすきはなさない」、気付きませんでした!素晴らしいですね。 (2019年8月16日 13時) (レス) id: 88a865b097 (このIDを非表示/違反報告)
河童系人間。(プロフ) - 江羅古九さん» わぁぁぁありがとうございます!!結構早めに終わってしまいましたがここまで読んで下さって本当にありがとうございました!! (2019年5月27日 8時) (レス) id: 578302a5d1 (このIDを非表示/違反報告)
江羅古九 - えらこきゅうなんで、あっ、なんかこう、海の…水の生物繋がりだ〜とか思ってました。。。文ストもヤンデレも作者さんも大好きです!!!(はい、突然すいませんでした……) (2019年5月25日 13時) (レス) id: 651ad92b57 (このIDを非表示/違反報告)
江羅古九 - もう完結しちゃってる作品にすいません。楽しく読ませていただきました。なんか、作者さんのお話聞いてて(よんでて?)あー、更新って大変なんだなぁと、思いました……。あと、作者さんの名前が好きです。河童さんですよね?私も当て字ですが (2019年5月25日 13時) (レス) id: 651ad92b57 (このIDを非表示/違反報告)
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