スカートでもバク転させて！２ (ページ25)

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《長尾》

ずっと黙ってるAちゃんの顔をチラッと見てみたら、さっきの僕みたいに俯いてて

「…そうやんな、そら不安やんな…」

なんてボソボソ言ったと思ったら

「…じゃあさ、

あたしが長尾くんのファンになる。

もちろん、長尾くんのファンがいいひんなんて絶対そんなことないけどさ

あたしが長尾くんのファンでいるから、その…
それが、長尾くんが前で踊る理由じゃあかんかな？」

遠慮がちにそう言うAちゃんの言葉は

“そんなことないよ”とか、

“きっと誰か見てくれてるよ”みたいな

ありきたりなんじゃなくて

そんな言葉よりもっと安心するような

すごく嬉しい言葉やった

長尾「…ファンって…

Aちゃんもステージ側やん(笑)」

「え、あ、そっか！…じゃあ後ろから！後ろから見てるファンと思って！」

長尾「どんなアングルやねん(笑)」

細かいことは気にすんなって笑うAちゃんの為に踊るって考えたら、

さっきまでの不安とかプレッシャーとか

僕の中から全部消えてた。

全部って言ったら嘘になるけど、
それより頑張らなって思う気持ちの方が今は大きい。

なんたってAちゃんが応援してくれてるから。

それ以来、僕とAちゃんの距離が近くなった

仲良くなるにつれてAちゃんの天然さがわかって気づいたらいじってた

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長尾「…最初の頃の舞台で仲良くなってん」

道枝「それでイジるよーになったんか」

高橋「丈くんとAちゃんいじるときイキイキしてんもんな(笑)」

そう見られてると思うとちょっと恥ずかしいな

長尾「ま、Aちゃん俺のファンやからさ
ちょっとトイレ行ってくるわ」

それだけ言って席を外した

これから嫌でもAちゃんとは、この2人も仲良くなって行くんやろうけど、

それまでは僕だけがAちゃんの天然知ってたらいいねん

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道枝「あいつあーやって言ってるけど、自分の気持ちに気づかんよーにしてるだけちゃうかな」

高橋「わりと独占欲出てるよな」

道枝「にしては余裕なんが腹立つけど」

高橋「まあ肝心のAちゃんの射程範囲にすら俺ら入ってないんやけどな」

道枝「うおぉい、俺らって一緒にすんなよ！」

高橋「いやみっちー1番ないで？」

道枝「そんなんに1番とか！

…ま、まじで？」