REBORN ―己の使命。そして存在―弐 (ページ43)

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本当の覚悟ページ43

そして、手が何かを掴んだ。

掴んだ!!脳で理解した瞬間…

何を掴んだのかも理解した。

それは飾りで付いているリボン。勿論取り外しは可能なものだった。

シュルリと音をたててリボンが解かれていく。

そんなリボンだけで体を支えられるはずもなく、そのまま直角落下していった。

バランスを崩して私も落ちた。

ある程度の高さになった時、ベルが今度は助けてくれた。

ベルは私を抱えたままきれいに着地した。さすがだと素直に思った。

貴「…あの女は……。」

ベルが無言で顎で示す。

そこには座っているあの女がいた。

なんだ、案外無事じゃん。誰もがそう思った瞬間だった。

祐「いや、…………死んでる。」

意外な言葉に皆の視線が集まる。

祐「悪夢に呑まれた人間は、一見死んだように見せかけ、そのまま生命活動を終わらせる。こいつが飛び降りた時にはもう、死んでいたと考えてもおかしくはない。そして、その存在すらも…」

あの女の体がサラサラと肩辺りから消え始める。

祐「なかったものとなる。」

砂のように風に乗って消え去ってしまった。

A「なるほどね……ある程度力があれば姫君になれるなんてアバウトすぎると思ったよ。軽い覚悟でなれば死ぬ。この女のように。ってこと?」

急に寒気がしてきた。

私は存在を消される寸前までに至っていたのか、と…。

A「すごいね、君。えーっと…確か僕と同じ名前でAっていたよね。黒い霧をふりはらうなんてさ。まぁ他にもすごい所あったけど。」

絶対にこいつ……。

私の事年下だと思ってるでしょ…。(※同い年です)

貴「私だって………好きで身長がちっちゃい訳じゃないんだからぁぁぁぁ!!!」

そういって校庭を飛び出して行った。

―――

A「？？」

祐「あー…あいつ何歳に見える…」

A「んー、10歳くらいかなー…？」

祐「…14だ。それを本人も気にしてる。」

A「うっそ!!??…あぁ、悪いことしちゃったなぁ…。」

ツ「お、追わなくてもいいの…？」

祐「…一応追っておく。明日の雲戦、楽しみにしてるぞ。恭也。」

それだけ言い残し、俺も門から外に飛び出した。

さっきまで死にそうだったけど半獣は普通の人間に比べて回復の時間が早いのだ。

――

貴「ん…。」

目が覚めた時、すでに朝だった。

あれ、おかしいな…。

ずっと走ってたはずなんだけどな…。

そしてつい先ほどまでは気付かなかったけど…

貴「…えーっと、何してるのかな？」

隣にユーキがいた。