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赤と青 ページ9

シルク「お前何色にすんの?」




大量に並ぶ浴衣を遠目に見ながらシルクが
俺に問う。



頬が濡れていたのは目にゴミが入ったと
言えば簡単に誤魔化すことが出来た。



『んー…、紺とかじゃね』


浴衣を一枚一枚触りながら答えるが、
一向に返事がない。


あれ、と思ってシルクが今の瞬間まで居た隣を
見るとあいつの姿がない。


いくら小さくても見失うことは無いはず……。



俺の胸を嫌な思いが駆け抜ける。




『おいっ…シルク……!?』




シルク「マサイ?」





後ろを振り向くとキョトンとした顔のシルクが
立っている。


シルク「見てくれ、着てみたんだ」


ニコニコと笑いながら話すシルクの笑顔を見て
心配しただろ、とかどこ行ってたんだ、なんて
そんな怒りは何処かへ飛んでいってしまった。




シルク「俺、これにしよっかなー」



くるくる回りながら自分の着ている浴衣を
嬉しそうに見つめる。



いつもリーダーとして責任感のあるくせに
こういう子供らしい所が可愛くてたまらない。







シルク「あっ、マサイのも選んだんだぜ」




どれどれ、とシルクの持っている浴衣に目を
やると、シルクの右手には真っ青な浴衣。




シルク「かっこいいだろ?」




『え、てかさ、お前はそれで決まりなの?』




シルク「当たり前だろ?」



二ヒヒと笑うこいつが着ている浴衣は、
そう、こいつのイメージカラーでもある赤。



しかも紅など落ち着いた色じゃない。



正真正銘真っ赤な浴衣。



『いや…、子供っぽくね?』



シルク「俺といったら赤だろ?」




それはそうだけど…、背が小さいから余計に
子供っぽく見えてしまう。


シルク「お前今背も低いしとか思ったろ」




バレてた。








シルク「いいんだよ、俺は赤でお前は青!」




何でそこまでこの色にこだわるんだろうか。









シルク「赤の隣は、青だろ?」




俺の隣は、お前だろ?




こいつへの想いは捨てたはずなのに、





胸が苦しい









あぁ、やっぱり、お前が好きだよ

熱愛報道→←こいつの未来



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凛月(プロフ) - 、さん» 見落としていました。ありがとうごさいました。 (2018年7月23日 22時) (レス) id: 9c150fb34b (このIDを非表示/違反報告)
- オリジナルフラグちゃんと外しましょう。違反行為です (2018年7月23日 21時) (レス) id: 3c9ca68a27 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さな | 作成日時:2018年6月2日 12時

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